13年本決算は89%増益、今後の電力値下げによるマイナス影響は限定的か

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00902 華能国際電力(ホアネン・パワー・インターナショナル) 6.98 HKD
(03/19現在)
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華能国際電力の2013年12月本決算は経営陣が1月に発表した見通し通りの内容となった。同社H株は過去2-3カ月間、火力発電部門の電力価格引き下げ観測を背景に大きく下げたが、BOCIはこの点で市場の過剰反応を指摘。また、石炭価格の軟化基調や、1MWh当たり10元程度の値下げが14年半ばに実施される見通し、さらに親会社による事業注入の可能性、相対的な高配当利回りなどを考慮した上で、同社株価の先行きに対する見方を強気に引き上げている。

13年本決算の純利益は前年比89.1%増の104億元に達した。BOCI予想の117億元を下回ったが、これは主にのれん減損処理を含む減損損失15億元の計上が響いたため。主要指標を見ると、設備稼動時間数は5036時間と前年実績を28時間下回ったものの、国内業界平均の4511時間を上回る水準だった。火力発電に限ると、稼働時間数は5089時間で、やはり国内平均の5012時間を上回る数字。経営陣は14年の稼動時間数について、およそ5000時間となる見通しを明らかにしている。

燃料コストは13年に前年比12.5%減の1MWh当たり218.6元と、ほぼBOCIの予想(同216.4元)通りの水準だった。国内の石炭相場は今も低迷しており、単位当たりコストは14年、15年、16年にそれぞれ前年比7%、1%、1%低下する見通しという。

BOCIは13年第4四半期の石炭価格動向や電力各社の高負債比率、火力発電事業の環境費用負担の増大を考慮し、「14年半ばにも1MWh当たり10元の電気料金値下げが行われる」と予測している。この新たな値下げ予想は従来(14年前半に同17元)比で楽観的な修正を意味する。

一方、同社の発電能力は13年末時点で66.8GWであり、現在の設備投資計画をみる限り、15年末には74GWに拡大する見込み。ただ、同社は15年末に80GWを目指しており、BOCIは親会社からの資産注入による上積みが期待できるとみている。14年の設備投資予算は250億元で(13年は180億元)、うち140億元を火力発電プロジェクトに投下する計画。

BOCIは予想以上に大幅な電力価格値下げが行われるか、あるいは石炭価格が予想を上回る水準で推移する可能性を潜在的なリスク要因に挙げながらも、実際の電力価格値下げが小幅にとどまる見通しを示し、14-15年の予想EPSを13-17%増額修正。WACC(加重平均資本コスト)8.5%などを想定した上で、目標株価を14年予想PER8.7倍、同PBR1.5倍の水準に引き上げた。13-16年の利益成長率については年率10%、14年のROEに関しては17.6%を予想している。