16年6月中間期に36%増益の好決算、処理能力拡大で向こう3年の利益見通しを楽観

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00371 北控水務集団 (ベイジン・エンタープライジズ・ウォーター)  5.24 HKD
(08/31現在)
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北控水務集団の2016年6月中間期の純利益は前年同期比36%増の15億7400万HKドルに達し、市場コンセンサス予想とBOCIの予想をそれぞれ7%、10%上回った。ストックオプション支出、為替差損益などの特別 損益を除く経常ベースの利益は、同43%増の14億2600万HKドルに上った。同社の水処理事業の獲得状況は好調であり、経営陣は16年の新規プロジェクトの日産目標を300万トンから350万トンに上方修正。16年通期決算について前年比35%の増益を見込むとともに、向こう2-3年間にわたって同30%以上の増益率を維持する見通しを明らかにしている。BOCIは水処理運営会社の中で最良として同社を高く評価。株価の先行きに対して強気見通しを継続した。

中間期の好決算を支えた要因は主に以下の通り。【1】水処理能力の増加:日産約200万トン分の新規施設が期中に稼働を開始した。現在、日産233万トン分の施設を建設中で、うち140万トン分が年内に稼働する予定。ほかに44万5000トン分が16年下期に着工される。BOCIは処理場の運営および建設の両事業が収益成長の持続を後押しするとみている。【2】水処理プロジェクト8件(日産80万トン)の処理料金引き上げ:うち4件では平均21%値上げし、設備アップグレードを実施した別の4件については平均37%の値上げを行った。16年半ば時点で、同社の下水処理場の4割強は「I-Bクラス」であり、向こう2-3年内にアップグレードが進む可能性が高い。【3】コスト管理の強化:一般管理費の対売上比率が中間期に7.5%と、前年同期比で0.8ポイント低下した。スケールメリットによるもので、経営陣はこの先一段のコスト低減を見込む。

中間期には日産190万トン分のプロジェクトを獲得する一方、同34万7000トン分の業務受託契約を満了(一部は採算悪化で契約打ち切り)。上期の日産能力の純増分は150万トンとなり、期末の総処理能力は2500万トンに達した。7-8月には69万5000トン分の新たな契約に調印し、ほかに127万トン分の新規プロジェクトを獲得済み(調印待ち)。こうした中、経営陣は16年の新規プロジェクトの日産目標を300万トンから350万トンに上方修正し、16-18年に関して各30%以上の増益見通しを示した。

水質汚染が深刻な中国ではPPP(官民連携)モデルを通じた汚水処理などの事業が進む見込み。同社はPPP事業のチャンスを積極的に模索している。BOCIによれば、設計・実現可能性調査といったプロジェクトの初期段階から地方政府と協調することで、ハイエンド・プロジェクトの獲得が可能となる見込み。高リターンにも期待できるという。

BOCIは同社の処理能力の力強い伸びを評価し、弾力性の点から同業他社を上回るとの見方。ハイエンドのPPPプロジェクトの獲得が新たな成長牽引役になる見通しを示した。16-18年に年率平均29%の利益成長を予想し、目標株価を17年予想PER16倍の水準に維持。株価の先行きに対して強気見通しを継続している。