13年7-9月期決算が予想上振れ、PC/携帯端末両部門の収益性向上を予想

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00992 聯想集団(レノボ・グループ) 8.60 HKD
(11/07現在)
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レノボ・グループの14年度第2四半期(13年7-9月)決算は売上高が前年同期比12.7%増の97億7400万米ドル、純利益が同35.6%増の2億2000万米ドルに達し、それぞれ3.8%、8.4%の幅でコンセンサス予想を上回った。営業利益は同38.1%増の2億8400万米ドル。主力のパソコン(PC)部門の好調に加え、携帯端末部門の急成長に伴う収益源の多様化が好決算を支えた。BOCIはPCおよびスマートフォンの利益率向上を見込み、14-15年度の利益見通しを9%、3%の幅で増額修正。これに伴い目標株価を引き上げ、同社株価の先行きに対する強気見通しを継続した。

7-9月期にはノートPCが最大の収入源で、売り上げ全体の51%を占めた。ノートPC出荷台数は世界的に前年同期比12%の落ち込みを示したものの、同社の売上高は8%増の50億米ドル。逆風下で健闘した結果、世界シェアは18.5%へ2.6ポイント上昇した。また、デスクトップPCの出荷台数も世界的に前年同期比6%減少したが、同社の出荷台数は同1%増加し、世界シェアは16.5%へ1.3ポイント上向いた。デスクトップの売上高は前年同期比3%減の27億米ドルで、同社全体に占める割合は28%。一方、スマホやタブレットを含むMIDH(モバイル・インターネット・デジタル・ホーム)部門の売上高は7-9月期に前年同期比106%増の15億米ドルを記録した。中国国内市場でのスマホ出荷は同64%の伸びを示し、ベンダー別でシェア2位の座を維持している。

BOCIによれば、同期決算で目を引いたのは、スケールメリットを背景にPC部門の税引き前利益率が予想を上回る2.7%に達したこと。世界のPC市場はすでに最悪期を脱したとみられ、BOCIは製品構成比の優良化や内製率の上昇を受けた一段の利益率改善を見込んでいる。 一方、スマホ業務の7-9月期の営業利益率はわずか0.9%と、同業の中興通訊(00763)、中国無線科技(02369)の純利益率(12年度にいずれも2%前後)を下回る水準にとどまった。ただ、BOCIはレノボの出荷台数シェアが世界4位の座にあることに触れ、この先の採算性の改善余地を指摘している。また、国内での新型スマホ2機種「Vibe X S960」「Vibe Z K910」の投入を受け、高価格帯モデルの売れ行きを楽観。今後は主力製品のアップグレード化が進む見通しを明らかにしている。高価格帯の新型スマホ「Vibe X」や新型タブレット「S5000」(厚さ7.9ミリの超薄型)は、9月にベルリンで開かれたエレクトロニクスショーIFAでも来場者の注目を集めたという。

なお、世界市場でのレノボのPC出荷台数シェアは7-9月期に17.3%(米IDC調べ)。中国国内で33.9%とトップシェアを維持しただけでなく、アジア太平洋の消費者向けPC市場でもシェアを14.5%に伸ばし、初めて首位に浮上(日本では首位、インドで2位)。北米・中南米でもシェア11.3%と、初めて2桁に乗せた。