国内外で成長潜在力、今後の受注拡大観測で業績見通し楽観

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
01766 中国南車股フン有限公司(チャイナ・サウス・ロコモーティブ・アンド・ローリング) 6.62 HKD
(11/05現在)
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中国南車は13年8月に獲得した中国鉄路総公司(CRC)からの受注第1弾の引き渡しを開始しており、年末までにはほぼ完了する予定となっている。これに伴い、10-12月期のフル稼働が見込まれ、BOCIは同期の利益成長と粗利益率の改善を予想している。また、この先年末までにはCRCが第2弾の発注に動くと予想。この先の業績回復見通しや国内外での受注増の可能性に言及し、13-14年の予想EPSをそれぞれ0.32元、0.39元に上方修正した。同社の目標株価を引き上げ、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

同社が8月にCRCから受注したのは時速250kmクラスのEMU(電車列車)91台や8軸9600kW電気機関車174台、6軸7200kW電車機関車135台などで、総額285億8000万元規模。その大半が年末までに引き渡しを終え、10-12月期に収益計上される見通しとなった。BOCIによれば、同期の売り上げ計上は約200億元に上るとみられ、製品構成面から粗利益率も改善する見込み。これに伴い、10-12月期の大幅な利益成長が見込まれるという。

CRCはまた、10月22日に新たな車両関連入札の実施を発表しており、年末までには入札を開始する可能性が高まっている。BOCIは発表の内容を考慮した上で、時速250kmクラスのEMU88台、時速350kmのEMU226台、8軸9600kW電気機関車116台など、予想を上回る総額600億元規模の発注が行われると予想。この分の引き渡しが2014-15年にピークを迎えるとみている。

中国鉄道部門の固定資産投資は13年1-9月に前年同期比7.4%増の3697億元。基礎インフラ投資が同12.5%増の3287億元に達する半面、車両調達およびアップグレード関連投資はわずか410億元にとどまった。この3つの投資額の通年目標達成率はそれぞれ53.6%、57.7%、34.2%。BOCIは明らかに出遅れている車両・アップグレード投資が10-12月期に加速し、ピークを迎えるとみている。

李克強・首相は10月初め、タイやオーストラリアをはじめとする海外市場への高速鉄道設備の売り込みを強化する方針を改めて強調した。これに対するアセアン諸国の反応は好意的で、CRCはすでに海外開拓部署を立ち上げたという。また、中国南車もタイで、高速鉄道技術の合弁リサーチセンターを設立した。こうした状況を受け、過去3年間にわたって停滞してきた高速鉄道設備の対外輸出が再び加速する可能性が高まっている。仮にタイへの売り込みに成功すれば、関連設備の海外輸出は今後恒常化する見込み。BOCIは輸出増加見通しが短期的にバリュエーションの向上につながる可能性を指摘。さらに鉄道輸送能力の逼迫を理由に国内での大きな潜在需要に言及し、同社に対する強気の見通しを継続している。