ハイエンドの新型「Haval H8」を発表、中大型SUV市場での成功を予想

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02333 長城汽車(グレートウォール・モーター) 45.60 HKD
(11/25現在)
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長城汽車は11月21日、広州モーターショーにおいて待望の新型車「Haval H8」シリーズを発表した。新たに投入されたのは価格レンジ20万1800-23万6800元の4つのモデル。BOCIは価格帯が予想をやや上回ったとしながらも、性能、形状、内装などの点からH8のコストパフォーマンスを高く評価し、内外合弁メーカーの類似モデルを上回る可能性を指摘している。また、H8が属する中型・大型SUVカテゴリーは成長潜在力が大きいとし、価格やパフォーマンスの点で競争力の高いH8が同市場でシェアを伸ばすと予想。同社株価の先行きに対する強気見通しを継続している。

BOCIはトヨタ「ハイランダー」、現代「ニュー・サンタフェ」など、同等クラスの合弁ブランド車種と比較した上で、H8の価格競争力や車内スペース、パフォーマンスなどを前向きに評価。同価格帯の車種と比べても、車体サイズや形状、パフォーマンスの点で優位にあるとしている。さらに、合弁ブランドや国内ブランドが2014年下期-15年に相次いで類似モデルを発売する見通しから、H8の先行者優位を指摘。14年3-4月には月間販売台数が3000台に達すると予測し、14年下期には5000台到達もあり得るとした。また、20万元を超えるHavalモデルはこれが初となることから、品質に対する信頼感や知名度の向上には一定の時間がかかるとし、15年以降にピークを迎えると可能性を指摘している。

一方、BOCIは同社全体の販売台数について、13年-15年にそれぞれ76万3500台、94万3000台、107万台を見込んでいる。うちSUVの予想販売台数は41万6000台、57万5000台、69万5000台。セダンおよびピックアップトラックがほぼ横ばいで推移する半面、SUVの販売増が続くとみている。また、H8に続いてH7、H9と、ハイエンドモデルを相次いで投入する見通しから、SUVの平均単価の上昇と1台当たり利益の伸びを予想している。

同社は13年第3四半期から再び設備増強を開始したが、生産能力の拡大が利益に反映されるまでには一定の時間がかかる見通し。また、H8に続くH2の投入時期は14年第1四半期末か4月となる可能性が高く、時期的に予想よりややずれ込む可能性が出てきた。BOCIはこうした要因から、14年の利益が「前低後高」型で推移するとの見方。H8の販売増やH2の発表を受け、四半期ごとに上向く展開を見込んでいる。

BOCIは同社の潜在的なリスク要因として、H8の売れ行きが予想を下回る、新型モデルの発表時期が遅れる、輸出において苦戦する――などの可能性に触れながらも、同社の先行きを楽観。13年の予想EPSを2.77元に据え置く一方、14年、15年予想EPSをそれぞれ3.90元、4.99元へ小幅に修正した。短期的にはH8の売れ行きが同社株価を左右するとみている。