製品需給の改善とコスト低減で利益率回復、14年の黒字転換を予想

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
03800 保利協キン能源(GCLポリー・エナジー) 2.97 HKD
(01/17現在)
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保利協キン能源は世界の4大多結晶シリコン・メーカーの一つであり、ウエハー生産では最大手。世界的な太陽光発電需要の伸びが予想を上回るペースにある中、BOCIは需給改善が多結晶シリコンおよびウエハーの2014年の価格回復につながるとし、川上部門の価格決定力が改善するとみている。また、自前の電力供給や流動床炉(FBR)方式の採用で、同社の生産コストが2月初めにも、1キログラム当たり17.0米ドルから14.6米ドルに低下すると予想。14年、15年の粗利益率が22%、24%に上向く見通しを示した。これに伴い、14年通期の黒字転換を見込み(予想純利益22億3200万元)、15年については前年比29%の増益を予想している。また、ROE(株主資本利益率)も14年、15年に13%、14%に改善するの見方。価格回復を受けた業績改善見通しを理由に目標株価を上方修正(14年予想PER25倍)し、先行きに対する見方を中立から強気に引き上げている。

BOCIは中国での太陽光発電需要に関する14年の予想値を10GWから14GW(前年比40%増)に引き上げ、国内の新規容量が13-15年に年率24.7%拡大する見通しを示している。補助金制度を含む政策支援が背景。年初の国家エネルギー局の会合で明らかされたところによれば、中国政府は太陽光発電の14年の導入目標を12GWから14GWに上方修正。屋根などに設置する分布式がうち6割、ソーラーファーム(大規模発電所)が4割を占めるとのおおまかな指針を示したという。

中国での需要増見通しを受け、BOCIは世界需要に関する14年、15年の予測値をそれぞれ前年比22%増の45.8GW、同9%増の49.9GWに上方修正。13-15年に年率平均15.5%の伸びを達成するとし、多結晶シリコンおよびウエハーの需給バランスが14年に改善に向かうとみている。また、設備投資要件などの点で新規参入障壁が高まる中、多結晶シリコン業界の利益率が正常化に向かうと予想。中でも同社の場合、コスト軽減効果がその他有力メーカーを上回る見通しを明らかにしている。

多結晶シリコンの平均価格が前年を21.9%上回る1キロ当たり22.5米ドルに上向く見通しや、同14.6米ドルへのコスト削減効果を受け、同社の粗利益率は14年に22%と、13年予想の6.5%から大幅に改善する見込み(うち多結晶シリコンの予想粗利益率は14年に35%)。FBR方式の採用に伴い、キロ当たり生産コストは今後さらに14.0米ドルに低下する可能性があるという。

BOCIは潜在的なリスク要因としてFBR方式への移行時期の遅れや同業他社によるコスト削減、設備増強などを指摘しながらも、14年、15年の予想EPSを0.14HKドル、0.18HKドルに大きく増額修正。同社株価の先行きを楽観視している。