13年6月中間期に37%増益、販売価格上昇とコスト低減で予想上振れ

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00175 吉利汽車(ジーリー・オートモービル) 3.86 HKD
(08/23現在)
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吉利汽車の2013年6月中間決算は、売上高が前年同期比33%増の149億元、純利益が同37%増の14億元と、市場予想およびBOCI予想を上回る水準に達した。主に販売価格の上昇やコスト管理の強化を受けた粗利益率の改善が背景。また、政府補助金への依存度が縮小したことで、利益の質も改善した。BOCIは収益性の向上を反映させる形で、13-15年の予想純利益を3-6%増額修正。目標株価(13年予想PER13倍)を引き上げ、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

6月中間期には製品構成の高付加価値化が進み、ブランド別ではハイエンドの「Emgrand」(帝豪)が販売台数全体の35%を占めた(前年同期は31.2%、12年下期は32.9%)。また、車種別では最も利幅の大きい「EC7」とSUV2車種の販売比率がそれぞれ32.7%、10.7%に拡大。うち「EC7」はAクラスの国産ブランドセダンの花形であり、同社にとっても最大の利益源となった。SUV2車種の売れ行きは年初から予想を下回る水準で推移しているものの、BOCIは平均販売価格や利益率の高さを指摘。SUVモデルの利益貢献を過小評価すべきではないとしている。

一方、中間期の平均販売価格は前年同期を12.1%、前期を9.4%上回る5万6366元。これに伴い、粗利益率は前年同期の17.4%から19.2%に改善した。コスト面では販売費、管理費がそれぞれ同24.5%増、29.2%増。スケールメリットの拡大により、対売り上げ比率は5.5%、5.3%と、それぞれ0.4ポイントの幅で低下した。BOCIはさらに、政府補助金に対する依存度の軽減を受けた同社利益の質的改善にも言及している。中間期の補助金は前年同期の6億3400万元を下回る4億8500万元。税引き前利益に占める割合は前年同期の50.3%、12年通期の34.4%から28.1%に低下した。

中間期の販売台数は前年同期比18.5%増の26万3544台で、うち輸出台数は同25.9%増、国内出荷台数は同17.1%増。中国の自動車輸出が全般に伸び悩む中、同社の輸出台数は高い伸びを維持し、BOCIはこの点を同社の強みと受け止めている。ブランド別の販売台数を見ると、「Emgrand」が同33.0%増の9万2342台。「EC7」の販売台数が同41.1%増の8万6103台に達したことが「Emgrand」全体の好調を支えた。ほかに「Englon」「GLEagle」の販売台数がそれぞれ5.8%増、17.5%増。うちSUV2車種(GX7、SX7)が計2万8246台に上った。

BOCIはこの先の需要ピーク期の到来を理由に、8月以降の販売台数が前月比で上向きに推移するとみている。四川省成都のSUV生産工場の拡張が今夏に完了する見通しから、10-12月期には月次のSUV販売台数が増加すると予測。13年通期の予想販売台数を56万台(前年実績比16%増)に据え置いた。この予想値は同社経営陣が示した通期販売見通しと同水準となっている。