13年6月中間期に2桁増収増益、子会社の資産再編や買収が始動へ

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
02357 中国航空科技工業(アビチャイナ) 4.06 HKD
(08/22現在)
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アビチャイナの2013年6月中間決算は、売上高が前年同期比18.5%増の86億7000万元、純利益が11.2%増の3億4761万元と、ほぼBOCIの予想通りの水準だった。子会社、哈飛航空工業(600038)の資産再編と中航航空電子設備(600372)の資産取得計画はいずれも、株主の承認を経て実行段階に入った。うち哈飛航空工業の再編は2014年に完了する見込み。BOCIは利益見通しや目標株価(13年予想PER27倍)を据え置くとともに、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

6月中間期には主にヘリコプター事業や航空電子工学事業が増収に寄与した。部門別に見ると、総合航空機部門の売上高は前年同期比17.11%増の45億2000万元で、航空機部品部門の売上高は同20.25%増の41億6000万元。総合航空機部門においてはヘリコプター事業の売り上げが17.16%増の42億4000万元に達した。BOCIはヘリ事業の売上構成比が今後も上向くとみている。また、同期には増益率が増収率を下回ったが、これは子会社の株主割当増資に伴う利益の希薄化が原因。製品構成比の変化や人件費、原材料費の増大が響き、中間期の粗利益率は前年同期を1.07ポイント下回る18.83%だった。

中間期には投資収益が前年同期比48.1%増の5490万元に達したが、これは主に天津市に置く複数の子会社による貢献。また、ハルビン・エンブラエル(ブラジル・エンブラエルとの合弁事業)の赤字縮小も寄与した。ハルビン・エンブラエルは13年6月にビジネスジェット機『レガシー650』の1号機を完成させており、10-12月期に引き渡す予定。BOCIはハルビン・エンブラエルによる新型機種の引き渡しを受け、アビチャイナの投資収益がこの先さらに拡大するとみている。

哈飛航空工業の再編計画は6月の株主総会で承認され、再編プロセスがすでに実行段階に入った。かなり複雑な作業となるため、BOCIは2013年に完了するかどうか不透明感が強いとしている。なお、取引完了の後、哈飛航空工業に対するアビチャイナの持ち株比率は現在の50.05%から34.63%に低下する見込み。仮に完了時期が14年となった場合、アビチャイナの13年の決算にはEPS希薄化などの影響は出ない。

一方、中航航空電子設備が航空関連2社、北京青雲航空儀ヒョウおよび蘇州長風航空電子を総額14億2000万元で買収するとの計画は8月に株主承認を取得した。BOCIは年内の取引完了を見込み、アビチャイナの利益上乗せに寄与するとみている。