13年6月中間期に74%の大幅増益、SUVの販売好調で収益成長持続へ

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
02333 長城汽車(グレートウォール・モーター) 36.15 HKD
(07/24現在)
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長城汽車は2013年6月中間決算の速報値(中国会計基準)を発表し、売上高が前年同期比44.5%増の264億元、純利益が同73.7%増の41億元に達したことを明らかにした(EPS:1.34元)。同期利益は市場コンセンサス予想を上回る水準。4-6月期にはEPSが前四半期比15.6%増の0.72元に上り、純利益率は16%(前四半期比1.2ポイント高)と過去最高を記録した。同社は12年以降、一貫して市場予想を上回る好決算を達成しているが、主力のSUVの販売好調を受けた製品構成の優良化やスケールメリットの拡大がその背景。BOCIはSUVに照準を合わせる中期戦略の下、同社の収益成長が続くとみている。また、Haval H6に続き、今後発表されるH2、H8モデルの成功を予想。13-15年の予想EPSを7-9%増額修正した上で、2.77元、3.67元、4.60元に設定し、同社株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

13年上期の販売台数は前年同期比31.7%増の36万7857台。同期の増収率(44.5%)は販売台数の伸びを上回った。タイプ別の内訳を見ると、SUVはHaval H6および長城M4の好調を背景に同70.7%増の18万6627台。ほかにセダン車が11.7%増の11万台と、ほぼ市場平均と同水準の伸び。C50の販売好調がセダン車部門の製品構成改善に寄与した。その半面、ピックアップトラックは苦戦し、上期に3.5%減の6万7515台。中国国内のピックアップ需要は安定増を示しているものの、海外での需要萎縮が響いたとみられる。

一方、4-6月期の販売台数は前四半期比で1.4%増。SUVとピックアップトラックが同8.1%、14.8%増加する半面、セダン車が16%の落ち込みを示した。BOCIによれば、セダン車の売れ行きは5月以降、季節要因などから明らかに下向いており、中でも主力モデルC30の苦戦が顕著。ただ、販売台数に占めるSUVの比重拡大とセダン車の比重縮小が、同期の製品構成の改善に寄与したという。

BOCIは13年通期の予想販売台数を77万台に据え置き、下期に前四半期比約8%増の40万台を予想している。現時点ですでにC50の生産ライン移転とH6のライン増強をほぼ完了しており、下期には生産能力の拡大に伴うH6の販売増が原動力となる見込み。BOCIは上期に月平均1万5000-1万6000台だったH6の販売台数が、ピークシーズンの9月以降1万8000台に上向くと予想し、2万台を狙う可能性もあるとみている。

同社はH6のアップグレードモデル(Havalにブランド名変更)を6月に正式発売したが、続いて8月にはH6スポーツモデルの量産を開始する見通し。また、長く待望されてきたH2およびH8モデルを10-12月期に発表する可能性が出てきた。こうした新型モデルの投入を受けたSUV製品ラインの充実が、14年の販売増を後押しする見通しという。