ブランド再構築やボルボとの技術提携で成長期待拡大、13年に20%の販売増を予想

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00175 吉利汽車(ジーリー・オートモービル) 3.33 HKD
(07/03現在)
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吉利汽車は中国自動車業界における自主ブランド車(国内の独自開発車種)の先駆者であり、低価格車種を主力とする。2011年以降、品質およびブランドイメージの向上に向けて戦略的なブランド再構築を実施。また同時に、海外企業の買収や提携を通じ、安全性スタンダードや自動車変則装置などの技術レベルを大きく向上させた。BOCIはSUV車による貢献や輸出の力強い伸びを見込み、13年の販売台数が前年比20%増の58万台に達すると予想している。また、15年以降はボルボと共同開発した新規プラットフォームの貢献や新型モデルの投入を受け、新たな急成長局面を迎えるとの見方。同社株価の先行きに対する強気見通しを継続している。

同社の1-5月の販売台数は前年同期比21.8%増の22万8920台だった。車種別ではEC7の好調を受け、「Emgrand」(帝豪)が最も力強い伸びを記録。同期の販売台数は同37.2%増の7万8000台と、全体の34%に達した。ほかに「Englon」「GLEagle」ブランドの販売台数がそれぞれ同12.5%、17.6%増加した。

BOCIは13年通年の販売台数を58万台と予測し、うち輸出台数については前年比50%増の15万台を見込む。主にSUVモデル2種とEmgrand EC7が輸出の伸びを牽引する見通しという。

新型車に目を向けると、中型SUVモデルのSX7をすでに投入済みで、13年第4四半期には初のMPVモデルとなるEV8を発表する予定。また、14年には新型パワートレイン(動力を車輪に伝える装置の総称)を搭載したEC7アップグレードモデルを投入する計画となっている。

ボルボとの提携は昨年から急速に進展している。両社はGMCプラットフォームの刷新や車内の空気清浄化、GX7モデルの安全性などを対象とした技術提携に合意。さらにボルボと吉利汽車の親会社は2月、小型車の新規プラットフォーム構築に向けた研究開発センターの合弁設立に合意したことを明らかにした。BOCIはこの先の技術共有やその他領域における提携強化が、吉利汽車の一段の成長余力につながるとみている。

一方、同社の潜在的なリスク要因は、新型モデル発表の遅れや販売台数が予想を下回る可能性、輸出市場を取り巻く不透明感、政府補助金の大幅削減、価格競争の激化など。

BOCIは同社の現在株価が13年予想PERで8.4倍、14年予想PERで6.8倍と、ほぼ3年ぶり低水準にあると指摘。13年、14年の予想EPSを0.31元、0.39元に据え置き、先行きに対する強気見通しを継続した。目標株価については13年予想PER13倍を当てはめる形で下方修正を行っている。