13年3月通期に85%増益、販売量の伸びやガススタンド出店加速で成長持続へ

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00384 中国燃気控股有限公司(チャイナ・ガス・ホールディングス) 7.29 HKD
(06/27現在)
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中国燃気控股は2013年3月通期に好決算を達成し、売上高は前年比12%増。純利益は同85%増の17億6400万HKドルと、BOCIの予想を14.5%上振れた。中核事業である天然ガス部門の好調と優れたコスト管理力が背景。期末配当は8.5セントで、配当性向は前年の18%から21.5%に上向いた。通期の天然ガス販売量は前年比23%増。また、新規契約27件を獲得したことで、同社の都市ガスプロジェクト数は184と、都市ガス事業者の中で最多となった。経営陣は向こう2年間の販売目標(買収効果を除外)を85億立方メートル、100億立方メートルに設定しているが、BOCIは実際にはこの目標値を上回る可能性が高いと指摘。14年度、15年度も前年比29%以上の増益を達成するとみて、先行きに対する強気見通しを継続している。

大気汚染が深刻化する中、中国政府は向こう5年間で石炭ボイラーを全面的にガス仕様に切り替える計画であり、BOCIは特に東北部で暖房用ガス需要が飛躍的に伸びるとみている。また、ロシア-中国東北部ガスパイプラインなど輸送インフラ開発が進行しており、これまで逼迫していた東北部でのガス供給状況も改善に向かう見通しとなった。

同社は昨年12月、大株主の1社から都市ガスプロジェクト11件を総額30億HKドルで買収すると発表しており、7月までに取引が完了する見込み。この取引には炭層メタンガス(CBM)事業も含まれ、上期中に商業生産を開始する運び。政府補助金が見込めるCBM事業について、BOCIは「年間粗利益3500万元の達成は容易だ」としている。

一方、経営陣は自動車用CNG(圧縮天然ガス)スタンドでのガス販売量が全体に占める割合を15年に13-15%まで引き上げる方針(13年度に8.6%)。向こう3年間で1000店舗のスタンド出店を目指す。BOCIはこの目標は達成可能とみて、同社のCNG販売量が向こう2年間、前年比68%、49%の伸びを示すと予測している。新規出店に伴う設備投資を1店舗当たり500万元と仮定した場合、200店舗の出店に要する年間投資額は10億元。BOCI は1立方メートル当たりの平均販売価格を3元と想定し、仮に設備稼働率が70%でも、わずか2.6年で投資回収が可能とみている。

LPG部門は13年3月期に営業赤字に転落した。小売りは堅調だったが、部門売り上げの89%を卸売りが占めること、港湾・貯蔵施設の稼働率がわずか30%にとどまったことなどが響いた。経営陣は同部門の業績悪化に対処するため、港湾・貯蔵施設の売却あるいは運営のアウトソーシング化などを検討している。

13年3月本決算では最終利益が85%増と、営業増益率の17%を大きく上回ったが、これは財務費用や税額の軽減と関連会社の好決算が背景。同社は台湾の銀行から3.1%の固定金利で4億5000万米ドルの融資を取り付けており、BOCIによれば、財務費用は向こう数年間、低水準を維持する見通しという。