パイプライン合弁事業が資金難解消に寄与、短期的にプラス

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00857 中国石油天然気(ペトロチャイナ) 8.41 HKD
(06/19現在)
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ペトロチャイナはこのほど、中国西部のパイプライン資産を注入する形で合弁会社を設立した。BOCIはこれが短期的な資金圧力の解消に寄与するとの見方。13年6月中間期には合弁会社への資産注入に伴う見なし売却益を計上すると予測している。また、最近の調整を受けて2013年の予想配当利回りが4.6%に達した点に言及し、同社株の魅力が増したと指摘している。

ペトロチャイナは西部地域の既存パイプラインの運営を手掛けるため、泰康資産(Taikang Asset)および国聯基金(Guolian Fund)との間で、出資比率50%、30%、20%の3社合弁事業を立ち上げた。合弁会社の登録資本金は400億元。泰康資産と国聯基金がそれぞれ360億元、240億元を出資し、ペトロチャイナは手持ちの関連資産で現物出資する。

新会社に注入する資産は、原油、石油製品、天然ガスなど各種パイプラインで、これまではペトロチャイナ・ウエスト・パイプライン・カンパニーが運営していた。この中には「西気東輸・天然ガスパイプライン」の第1、第2ラインや、青海省渋北-西寧-甘粛省蘭州の天然ガスパイプライン、ウルムチ-蘭州の石油製品パイプライン、新疆ウイグル自治区驗ッ善-蘭州の原油パイプラインなど、ペトロチャイナの主要資産が含まれる。

同社は今年、資金圧力の解消に向けて資産譲渡を通じた資金調達を進めており、BOCIによると、今回の合弁事業もその一環。2013年の設備投資計画に対する営業キャッシュフローの不足が700億元に上るとみられる中、同社は3月に社債発行で200億元を調達。今回の資産譲渡でさらに600億元を調達する運びとなり、この点はプラスと目されている。また、ペトロチャイナは8月に発表する6月中間決算で見なし売却益を計上する可能性が高い。

一方、BOCIによると、合弁事業化によるマイナス材料は、関連パイプライン事業から得られる利益の半分を向こう20年にわたって失うこと。また、今のところ合弁会社がペトロチャイナの子会社扱いとなるのか、持ち分会社/共同出資会社となるのかは不明。仮に後者となった場合、現時点ですでに低迷しているパイプライン・天然ガス事業部門の営業利益がさらに落ち込む可能性があるという。

BOCIは同社の利益見通しを据え置くとともに、目標株価を2013年予想NAV(純資産価値)比で12%のディスカウント水準に維持。同社株価の先行きに対する強気見通しを継続している。