既存店売上伸び率が回復傾向持続へ、不動産部門の貢献で13年に利益上振れも

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00848 茂業国際控股有限公司(マオイエ・インターナショナル) 1.35 HKD
(06/06現在)
 株価
 企業情報
 チャート

茂業国際の既存店売り上げ伸び率(SSSG)はここ数カ月上向きに推移しており、BOCIは今後も回復傾向が続くと予想している。また、不動産販売の伸びを受け、13年通期業績が予想を上振れる可能性が高いとみている。同社株価はこのところ調整しているが、これは大連拠点の小売り大手、大商股フン(上海A株600694)のM&Aに関する不透明感が理由とみられ、BOCIは現在株価がPERベースで同業銘柄を47%下回る点を指摘。目標株価を14年予想PER8倍の水準に引き下げながらも、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

同社のSSSGは1-3月期に前年同期比5.3%にとどまったが、4月には同9-10%に改善。経営陣の指針によれば、5月には前月をやや上回り、2桁に乗せる可能性が出てきた。中国では4月に金消費が急増したが、同社の場合、この要因に対する依存度が小さく、貴金属・宝飾品が売上高全体に占める割合は10%と、同業銘柄の20%を下回る水準。一方、金以外のその他商品のSSSGは4月、5月に上向き、前年同期実績の低さなどから同業銘柄を上回る回復ペースを示したとみられている。年初からこれまでのSSSGは前年同期比7%強と、ほぼBOCIの予想並み。BOCIは百貨店部門のコア利益について、13-15年に前年比5%、8%、10%の伸びを見込んでいる。

一方、不動産部門に関しては、13年の売上高が11億元、純利益が3300万元に達するとみている。この予想純利益が同社全体の予想コア利益に占める割合は4%(12年実績はマイナス10%)。不動産部門の寄与で、同社の13年のコアEPSは前年比25%増加する見通しという。また、BOCIが設定した不動産部門の予想純利益率は3%と、かなり控えめな数字。経営陣は10%超を見込んでおり、部門利益が予想を10%余り上振れる可能性も出てきた。13年の部門売上高は山西省太原での開発プロジェクトに依存する部分が大きく、仮に同プロジェクトの物件引き渡し時期が14年にずれ込んだ場合、13年利益には5%未満の下振れリスクがある。ただ、この場合には14年の予想利益がその分上乗せされるという。

大商股フンはこのほど、新株割り当てを通じて親会社から50億元規模の資産を取得する計画を発表した。これが実現すれば、茂業国際による大商股フンの持ち株比率は5%から3.4%に低下する運び。その半面、筆頭株主および関係者の持ち株比率が8.8%から34.5%に上昇する。BOCIによれば、茂業国際や一部少数株主はこの計画に反対するとみられ、大商股フンの株価は急落する可能性がある。また、茂業国際は大商股フンの支配権をめぐって筆頭株主との対決姿勢を続ける可能性もあるという。ただ、BOCIはこの件に絡む不透明感を指摘しながらも、投資規模が約5億元と相対的に小さいことから、マイナス影響は限られるとみている。