コスト管理強化で粗利益率の改善を予想、南部での製品価格上昇にも期待

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00914 安徽海螺水泥(アンホイ・コンチ・セメント) 25.05 HKD
(06/04現在)
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BOCIはセメント銘柄の中で、安徽海螺水泥を有力視している。優れたコスト管理力や石炭価格の下落を背景に、2013年4-6月期には生産量1トン当たり粗利益が予想を上振れる可能性を指摘した。セメント銘柄にとっては、5月の製品価格の回復ペースの鈍さや中国政府が進める環境保護政策が重しとなっているが、BOCIはその中で、同社が安定感の強い投資選択肢になるとみている。東部地域における平均販売価格の上昇率は当面限られるとしながらも、南部地域では下期により大幅な価格回復が期待できると指摘。目標株価を引き下げながらも、同社株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

BOCIによると、4-5月の製品価格の上昇とコスト軽減を受け、4-6月期の粗利益は前四半期比70%以上の伸びを示す見通し(前年同期比では2%減を予想)。平均販売価格は4月、5月に1トン当たり229元、239元以上と、それぞれ少なくとも10元の幅で上昇したとみられる。生産コストが1トン当たり約160元で横ばい推移した場合、4-6月期の同粗利益は75元に達する見込み(BOCIの従来予想は66元)。BOCIは同期の1トン当たり予想粗利益を増額修正する一方、10-12月の予想を92元から85元に減額修正。13年通期については前年比8%増の73元を見込んでいる。

5月の1日当たり出荷量は雨季の影響から、前月の66万トンをやや下回る60万トンにとどまる見込み。在庫レベルは現在の50%から上向く可能性が高い。1-4月の販売量は6600万トンになるとみられ、この数字は13年通期予想(2億2300万トン)のおよそ30%に当たる。

同社はインドネシアで、向こう2-3年間に23億5000万米ドルを投資し、年産能力を1000万トンに引き上げる計画。BOCIはこの投資額をかなり高額と受け止めている。1号プラント(年産能力320万トン)が稼動を開始するのは14年末の予定であり、短期的な利益寄与には期待できないという。

BOCIは13年4-6月期の1トン当たり粗利益の急速な伸びを見込み、翌7-9月期には横ばい推移すると予想。10-12月期には前年同期比5%増の85元になるとみている。また、現在株価の13年予想PERが12.4倍と、中期平均の17.6倍を下回る点に言及したが、その一方で、中国国内での厳しい事業環境を予想。目標株価を引き下げる半面、株価の先行きに対する強気の見通しを継続している。