13年3月通期に34%増益、下期の国内パソコン市場の回復を予想

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00992 聯想集団(レノボ・グループ) 7.38 HKD
(05/24現在)
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レノボ・グループの2013年3月本決算は、売上高が前年比15%増の340億米ドル、純利益が同34%増の6億3500万米ドルに達した。同期利益は市場コンセンサス予想を3.1%上回る水準。特に市場全体のパソコン(PC)出荷が2桁減少した北米市場で30%の営業増益を確保するなど健闘し、BOCIは今後、中国国内に加えて北米が新たな主要利益源になるとみている。また、経営陣によれば、スマートフォン出荷台数は14年3月通期に5000万台を超え、新たな収益成長エンジンとなる見通しという。BOCIは政府指導部の人事刷新が完了する13年下期には、中国の業務用機器市場が回復に向かうと予想。PC市場全体が低迷している現状を指摘しながらも、同社の収益性は向上しているとの認識を示した。業界全体に対する中立見通しを反映させる形で、同社の14-15年の予想純利益を8.8%、7.3%下方修正しながらも、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

13年1-3月期(年度第4四半期)の売上高は前年同期比4.5%増の78億米ドル。純利益は1億2700万米ドルと、コンセンサス予想を18%上回った。粗利益率、純利益率の改善も目を引いた。また、13年3月通期で見ると、スマホ出荷台数は約3000万台で、経営陣による14年度の予想は5000万台超。タブレット端末の出荷台数は13年度に200万台で、14年度には前年比5倍の1000万台に達する見通しという。タブレット事業はすでに採算ラインに乗せており、同事業の成長が主力のPC事業の停滞を一部カバーしたとみられる。なお、同社は3年計画の中で、PTI(税引き前利益)マージンを1ポイント引き上げる目標を掲げており、13年度に2.4%だった同マージンは、向こう3年以内に3.4%に達する見込み。BOCIは16年度について3.38%を予想している。

一方、米調査会社IDCによれば、政府指導部の交代はIT支出の増大につながる要因。経営陣は13年下期に国内政府機関の調達が回復傾向を示すと予想。BOCIも下期の国内市況を楽観視している。

13年1-3月期には北米部門の営業利益が前年同期比30%増、前期比26%増の4300万米ドルに達した。主に業務用市場での好調が背景。BOCIは高い自律成長率を確保したと評価し、同社の執行力の高さを指摘している。IDCによると、米国のPC出荷台数は1-3月期に前年同期比12.7%減、前期比18.3%減の1420万台にとどまったが、同社の出荷台数は2桁増を示し、市場全体を大きくアウトパフォームした。

スマホ事業では中国国内向けが採算ラインに乗せたが、主要通信キャリア向けの大量出荷が難しい海外向けは依然発展初期段階にある。同社は中国国内の通信キャリア販路において利益重視戦略を採っており、BOCIはこの戦略が出荷数量の伸びに影響する可能性に言及しながらも、国内スマホ部門の純利益率が高水準に達する見通しを示している。