13年1-3月期に予想を上回る好決算、近くモバイルゲーム・インフラ投入へ

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00700 騰訊控股(トウジンコウコ) 274.40 HKD
(05/16現在)
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騰訊控股の2013年1-3月期決算は、売上高が前年同期比40%増の135億4800万元(前四半期比11%増)に達した。純利益は同37%増の40億4400万元(同17%増)と、市場コンセンサス予想を9.5%上回る水準。主にPCオンラインゲーム部門の好調などが好決算に寄与した。同社は向こう2-3カ月以内に各種アプリケーション向けのゲームプラットフォームを投入する計画であり、モバイル・インターネット戦略を軌道に乗せつつある。BOCIは同社の投資戦略について、海外市場にも照準を合わせている点で同業銘柄とは異なると指摘。最新リポートで目標株価を引き上げ、同社株価の先行きに対する強気見通しを継続した。

1-3月期の売上高は市場予想を4.5%上回ったが、これは主にPCゲームおよび電子商取引部門の収入が予想以上の水準に達したため。ゲーム収入は旧正月休暇中の利用増を追い風に全体で前四半期比19%増の74億7200万元に達し、同四半期売上高に占める割合は55%。内訳を見ると、PCゲームが前四半期比19%増の71億3500万元、モバイルゲームが同24%増の3億3800万元。このほか、PCと携帯端末向けを含むSNS(ソーシャルネットワーク)部門の収入は同2%増の31億9400万元。ネット広告収入は前年同期比57%増の8億5000万元に達したが、旧正月という季節要因から前四半期比では10%減少した。電子商取引部門の収入は前四半期比14%増の19億1300万元。

1-3月期の営業利益は前年同期比37%増の50億6300万元(前四半期比36%増)と、市場予想、BOCI予想をそれぞれ14.5%、15.5%の幅で大きく上振れた。◇オンラインゲーム、電子商取引部門の予想を上回る増収◇特別配当収入4億3800万元の計上による「その他収入」項目の伸び――が理由。営業利益率は37.4%で、前年同期を0.9ポイント下回る一方、前四半期比で6.7ポイント改善している。

主要業務指標を見ると、インスタント・メッセンジャー(IM)のアカウント数は前四半期比3.4%増の8億2540万件。SNS「Qzone」のアカウント数は同1.4%増の6億1100万件。無料通話・メールアプリ「微信」(英語名:WeChat)の月間アクティブユーザーは同23.1%増の1億9440万件で、海外の利用者数も4000万件を超えた。

経営陣は決算発表に伴い、近くモバイルゲーム・プラットフォームを投入する計画を明らかにしている。「微信」、モバイルQQ、Qzoneを合わせた膨大な自社ユーザー基盤に向け、ゲームインフラを提供する。支払いシステムが整い次第、2-3カ月以内にも投入するという。また、今後はモバイル向けに開発したゲームを発表する予定。経営陣は国内モバイルゲーム市場が成長初期段階にあるとみて、この先の潜在力を確信している。このほか、同社は「微信」の海外展開を強化する方針。一方、膨大なデータ通信量をめぐって通信キャリア各社との摩擦が生じている問題では、キャリアとの協議を継続する。