13年1-3月期は28%減益、産業廃棄物処理事業の安定成長を予想

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00895 東江環保股フン有限公司(ドンジャン・エンバイロメンタル) 37.50 HKD
(04/24現在)
 株価
 企業情報
 チャート

東江環保の2013年1-3月期決算は、売上高が前年同期比12.9%減の3億4000万元、純利益は同27.8%減の5092万元と、BOCIの予想を下回る水準にとどまった(EPSは0.24元)。環境関連プロジェクト件数の減少が業績悪化の主因。また、金属相場の下落を受けた産業廃棄物リサイクル部門の製品価格の下落も響いた。BOCIは金属価格に関する想定値の引き下げに伴い、2013-15年の予想EPSをそれぞれ7.0%、8.8%、10.8%減額修正し、新たに2.23元、2.78元、3.16元に設定したが、続く4-6月期には利益成長を回復するとの見方。この先の安定成長を見込み、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

産業廃棄物リサイクル部門は製品価格が金属相場とほぼ連動しているため、1-3月期には銅価格の前年同期比4.3%の下落が響く形となり、部門利益は小幅の落ち込みを示した。ただ、粗利益率は相対的に安定。処理量の30%の増加を背景に、売上高も安定推移した。一方、高付加価値の産業廃棄物処理(無害化処理)サービス部門は売上高、利益ともに急増した。中国政府が廃棄物処理分野を重視する中、この分野で高い競争力を持つ同社は今後も急成長を持続する見込み。BOCIは市場全体の急拡大が同部門の成長につながるとみている。なお、経営陣は2013年通期利益について、前年比19%減-3%増との見通しを明らかにしている。

同社が12年本決算を発表して以来、国内外の銅相場は大幅に調整し、わずか2週間で10%を超えて下落した。BOCIは銅価格に関して相対的に慎重見通しを示していたものの、ここまでの急落は予想外とし、価格の先行きに対してかなりの慎重姿勢に転じている。仮に銅相場の軟化が続く中で販売量が伸び悩めば、同社利益を圧迫するとの見方だ。一方、中国国内では12年に工業部門の設備稼働率が低迷し、これが結果的に産業廃棄物リサイクル部門の13年1-3月期業績に影響したが、国内景気は12年4-6月期に底を打ち、その後は回復基調。同社業績も12年7-9月期以降段階的に回復に向かっており。BOCIは前年同期の比較対照値の低さが、13年4-6月期の利益成長に寄与するとみている。

同社の潜在的なリスク要因は、◇国内経済成長の再度の減速が工業部門の稼働率低下を招き、産業廃棄物部門の業績悪化につながる可能性◇金属相場が一段と軟化する可能性――。BOCIは予想EPSの下方修正に伴い、目標株価を13年予想PER16倍の水準に引き下げたが、複数の投資プロジェクトの取得や買収先企業との事業統合、新規顧客の獲得などが、リサイクル製品の価格下落というマイナス要因をある程度カバーするとの見方。利益見通しは相対的に明確とし、同社H株に対する強気の見通しを据え置いている。