サムスンS4投入が3G加入者獲得に寄与、戦略見直しで低コスト化実現へ

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00762 中国聯合網絡通信(香港)股フン有限公司(チャイナ・ユニコム(ホンコン)) 9.76 HKD
(04/17現在)
 株価
 企業情報
 チャート

新華網(xinhuanet.cn)の報道によると、チャイナ・ユニコムは4月17日、中国の通信キャリア3社の中で真っ先に、サムスンの新型スマートフォン「ギャラクシーS4」を国内市場に投入する見通しとなった。BOCIはこれを前向きに受け止め、同社が「前払い金ゼロ」方式で「S4」を売り出すとの前提の下、高額の端末補助金設定やプリペイド方式の販促より効率的に、「最小限のマーケティング・コストで最大限に3G新規顧客を取り込むことができる」とみている。また、BOCIは同社の2013年、14年のEPS伸び率が前年比45%以上に達すると予想。株価の先行きに対して強気見通しを示すとともに、同社を本土系通信セクターのトップピック銘柄とした。

「ギャラクシーS4」はアンドロイド4.2.1搭載、オクタコア(8コア)プロセッサ搭載のデュアルSIM/デュアルスタンバイ対応機種(2つのSIMスロットを持ち、SIM カード2枚を同時に認識する)。中国国内で発売が待望されていた。チャイナ・ユニコムにとって、このデュアルSIM/デュアルスタンバイ機能は強力な加入者獲得ツール。通信キャリア最大手チャイナ・モバイル(00941)のハイエンドユーザー(番号ポータビリティー対象外の顧客)取り込みに寄与するとみられている。国内市場での「S4」投入で競合2社に先行することも宣伝効果を生む見込み。

BOCIはまた、「前払い金ゼロは端末補助金ゼロを意味する」とした上で、人気機種を対象とした「前払い金ゼロ」方式の採用は正しい戦略だと指摘している。端末補助金を積み増すことなく、3G新規加入者の獲得につながる見通しという。同社はこれまで、ARPU(加入者1人当たり月額収入)の高いハイエンド加入者の流出防止に向けて高額の端末補助金を設定してきたが、人気機種を活用した低コストでの加入者獲得は「自社サービスの宣伝においても従来型戦略より有効」との見方だ。これまでハイエンド機種1台当たり4000元を費やして獲得してきた既存の3G加入者も実際、ハイスピードの同社WCDMAネットワークを利用し続けており、データスピードの遅いGSMへのダウングレードを今さら許容することは考えにくいという。

BOCIは同業銘柄と比較した同社のベータ値(主要株価指数に対する個別銘柄の株価の感応度を示す指標。この値が大きいほど値動きが大きくなることを示す)の高さに触れ、潜在的なリスク要因として不安定な相場展開を挙げながらも、株価の先行きに対して強気の見方。利益見通しの明確さに言及し、13-15年に前年比35-47%のEPS伸び率を達成する見通しを示した。また、運営指標の改善が投資家信頼感の改善を後押しし、長期的な支援材料になるとみている。