13年に利益成長加速へ、既存店売り上げの改善と不動産部門の寄与で

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00848 茂業国際控股有限公司(マオイエ・インターナショナル) 1.68 HKD
(04/11現在)
 株価
 企業情報
 チャート

BOCIは茂業国際の株価の先行きに対して強気の見通しを継続し、その理由として、◇主力の百貨店部門における既存店売り上げ伸び率の回復◇開発物件の分譲開始に伴い2013年通期のコアEPS伸び率が前年比21%に達する見通し◇債務構造の最適化が財務費用の軽減につながる見通し◇3月からの相次ぐ自社株買いからうかがえるキャッシュフローの改善――を挙げている。

同社の発表によれば、13年第1四半期の既存店売上高は前年同期比5.3%増、テナント売上高は同6.7%増。既存店売り上げ伸び率は12年第1四半期の同1.5%、12年通期の前年比3.9%から回復傾向を示した。12年に実施した2店舗の閉鎖(うち山東省豺・雌Xの閉鎖はリノベーション目的)が寄与したとみられる。また、近隣での地下鉄建設工事による深セン華強北店への影響が限定的だったこともプラスに作用した模様。BOCIは第1四半期の回復傾向や前年実績の低さから、13年の既存店売上高に関する予測値を前年比7.8%増に据え置いている。

一方、不動産部門では浙江省泰州、山東省太原の開発プロジェクトがそれぞれ12年10月、11月に分譲を開始し、成約額はこれまでに約9億元に達した(12年第4四半期に4億元、13年第1四半期に5億元)。BOCIは総分譲面積が150万平方メートルに上るとみて、13年以降の年間分譲収入が11億元に達すると予想。13年には不動産部門が黒字転換した上で、同社利益の4%に寄与すると予測し(12年通期の寄与度はマイナス10%)、同社のコアEPSが前年比21%の伸びを示す見通しを明らかにした。また、仮に開発物件の引き渡し時期が14年にずれ込んだとしても、不動産部門がこの先、同社バリュエーションの重しとなる可能性は低いとみている。

昨年の資産再編を経て、A株上場企業の秦皇島渤海物流控股(000889)を連結子会社化した後、同社は借り換えを通じて債務構造の最適化を進めている。これにより、有利子負債の平均金利は13年以降、前年の6.5%から0.5ポイント低下し、14年以降には財務コストが軽減する見通しとなった。

3月から自社株買いで、同社は総額1億6000万HKドルを投じて発行済み株式総数の1.7%を取得した。BOCIは不動産物件の分譲開始に伴う設備投資の減少とキャッシュフローの改善を指摘し、13年にはフリーキャッシュフローがプラス化するとみている。

同社の潜在的なリスク要因は百貨店部門の既存店売り上げ伸び率や開発物件の成約状況が予想を下回る可能性。ただ、BOCIはSOTP(Sum-of-the-Parts)方式で目標株価を設定した上で(13年予想PERで10倍相当)、株価の先行きに対して強気の見通しを据え置いている。