12年12月本決算はほぼ予想どおり、利益率の改善が見込まれるが上値は限定的

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00338 中国石化上海石油化工(シノペック・シャンハイ・ペトロケミカル)  3.50 HKD
(03/28現在)
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中国石化上海石油化工が発表した2012年12月期決算は純損失が15億3000万元(国際会計基準)と、同社が1月後半に出したプロフィット・ウォーニング(利益警告)にほぼ即した内容だった。中国会計基準での純損失は15億5000万元。

12年10-12月期単独では6100万元の純利益(中国会計基準)を計上。粗利益率は7-9月期の1.6%から10-12月期は2.9%に改善した。これは主に石油化学製品価格の上昇と石油精製事業の利益率回復が要因。ただし、1月後半のプロフィット・ウォーニングを受けて市場はすでにこれを織り込み済み。

中国国家発展改革委員会(NDRC)が昨年後半に実施した石油精製製品の価格改革以降、国内精製業者の利益率は大幅に改善。これにより13年業績は黒字転換するとBOCIは予想している。さらに、NDRCは3月26日に新たに主要精製製品の価格決定メカニズムを発表。今後、精製製品の国内価格は国際原油相場を反映してより頻繁に調整されるようになるため、精製業者の利益はさらに改善されるとみられる。

12年10-12月期の業績改善を踏まえてBOCIは13-14年の利益予想を20竏鈀29%上方修正した。BOCIはシノペック(00386)に準じて同社のバリュエーションを13年予想PBR1倍から同1.25倍に引き上げ、目標株価を2.90HKドルから3.67HKドルに見直している。ただ、1月後半の目標株価見直し以降、株価がすでに37%値上がりしていることや、今後しばらくは業界にポジティブなニュースが見込まれない点を踏まえ、上値は限定的とし、投資判断を強気から中立の見方に引き下げている。また、石油化学部門の利益率は12年半ばを底に徐々に改善の方向にあるが、供給過剰の点から大幅な改善は望めない見通し。武漢プラントの完成や大慶、撫順プラントの増産に続き、年内に四川プラントが完工する見通しで、これらの貢献により13年の中国エチレン供給量は14%増に達するとBOCIは予想している。