12年本決算は大幅増益、発電能力増強で安定成長維持を予想

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
02380 中国電力国際発展有限公司(チュウゴクデンリョクコクサイ) 2.62 HKD
(03/22現在)
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中国電力国際の2012年12月本決算は、EPSが前年比127%増の0.22元と、BOCIの予想から8%下振れた。主に単位当たり燃料コストの減少幅が予想より小幅にとどまったため。ただ、BOCIは一定のタイムラグを経て、2013年決算には石炭価格下落によるコスト軽減効果がより明確に反映されるとみている。また、同業銘柄に比べた水力発電事業の比重の高さや発電能力の拡大見通しに触れ、今後も安定した利益成長を維持すると予想。同社株価の先行きに対して強気の見方を継続している。

12年通期の売上高は前年比8.8%増の175億元と、市場コンセンサス予想を3%下回ったものの、ほぼBOCIの予想通りの水準だった。純利益は同133.8%増の11億8000万元で、コンセンサス予想を5%、BOCI予想を8%下回る数字となった。

単位燃料コストの低減率が前年比でわずか0.6%と、BOCI予想の2%より小幅にとどまったことが、予想数字との乖離を生んだ最大の要因。0.6%という数字は同業銘柄に比べても小幅だったが、これは同社が内陸部の炭鉱から直接、動力炭を調達しているため。炭鉱出荷分の価格相場は、秦皇島(国内最大の石炭積み出し港)価格より遅れる形で下落したことから、石炭価格下落の恩恵は12年決算に十分に反映されず、13年に持ち越された。BOCIによると、13年の石炭長期契約価格は前年比で1トン当たり40元程度下落する見込み。すべての要因を考慮した場合、13年の単位当たり燃料コストは前年比6.5%縮小する見通しという。

同社の発電能力は健全な伸びを示しており、13年には約3200MW(メガワット)規模の火力発電所と1250MWの水力発電所が稼動を開始する予定。これにより、持ち分換算の発電能力は12年の11.7GW(ギガワット)から15GWに拡大する。また、複数の大型石炭火力発電プロジェクトが国家発展改革委員会から「初歩認可(暫定認可)を獲得しており、これが今後の事業規模の拡大につながる見通しとなった。

経営陣は水力発電事業について、13年の水量が前年並みになると予想。新規施設の稼動を背景とした発電量の伸びを見込んでいる。

設備投資は13年に約70億元となる見通し。12年には79億元だった。

なお、BOCIは同社の潜在的なリスク要因として、
◇石炭価格が上昇に転じる
◇向こう数四半期にわたって水量不足が生じる
◇工費の超過が新規プロジェクトに影響する
――などの可能性などを挙げている。