2012年下期に利益成長回復へ、海外事業強化や国内道路投資の回復がけん引

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
01800 中国交通建設(チュウゴクコウツウケンセツ) 6.87 HKD
(06/14現在)
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BOCIは中国交通建設の2012年1-5月の業績について、粗利益率が改善傾向を示す一方、利益は前年同期をやや下回ったとみている。ただ、中国の政策緩和を背景に、下期の業績回復を予想。引き続き国内外のインフラ建設部門が粗利益率の改善を支える見通しを示した。また、1-5月には海外事業の売上高、利益がそれぞれ前年同期比10%強、30%の伸びを示したとみられ、足元の受注も全般に堅調。同社は道路建設事業の比重が大きく、国内の道路建設投資の加速がこの先、追い風になる見通しという。今年はほかに、BT(建設・譲渡)、BOT(建設・運営・譲渡)受注の比重も小幅に上向く見込み。BOCIは同社株価の先行きに対して強気の見方を維持している。

1-5月には粗利益率が上向き、財務費用が高止まりする半面、一般管理費は横ばい推移。営業キャッシュフローは健全レベルを維持したとみられている。同期には売上高、純利益、受注額ともに前年同期をやや下回ったと推定されるが、BOCIは6月中間期の純利益について前年同期比横ばいを予想。下期には上向きに転じる見通しを示した。

中国国内の道路建設投資は1-4月に前年同期比7.8%減少したが、ここに来て回復傾向を示し、4月単月では前年同月比21%増。今後も加速傾向が続くとみられ、同社にとって追い風となる。

一方、昨年から海外事業開拓を強化したことで、1-5月には海外部門の収益および受注が国内部門を上回る勢いをみせた。BOCIは2012年通期の海外部門の収益成長を楽観。海外事業請負に向けたプラットフォームの保有や海外ネットワークの適切な配置などを理由に、同社の競争力を前向きに評価している。なお、海外事業や国内の政府系プロジェクトにおいては、主に国家開発銀行(CDB)、中国輸出入銀行(EIBC)が融資を行うという。

2011年通期にはBTおよびBOT受注が600億元を上回り、全体の約15%を占めたが、12年にはこの比重がやや上向く見込み。BTプロジェクトについては譲渡の遅れというリスクが存在するが、同社は地方政府財政が相対的に健全な東部地域でBTプロジェクトを手掛けており、今のところこうしたトラブルには直面していない。一方、BOTは東部と西部に分布し、西部のウエートが拡大しつつある。同社はBOTプロジェクトの収益性を評価するシステムを持つが、地方政府の財政難を受け、最近のBOT受注に関しては運営期間延長などの変更が生じる可能性も浮上している。

港湾機械・設備部門の受注は相対的に堅調ながらも、需要萎縮を受けて利幅は依然低水準にある。造船業界の競争激化を受け、中でも船舶関連業務の事業環境は厳しい。一方、浚せつ部門は粗利益率の横ばい推移が見込まれるものの、今後も需要の堅調が続く見通しという。