【今日のまとめ】
- 中国のGDP成長は減速している
- 金利政策はぶれていない
- 輸出はまずまず
- 消費はいまひとつ
- 国際間の投資資金のフローは安定
GDPは減速
昨日中国の第3四半期のGDPが+7.3%と発表されました。これは予想の+7.2%を少し上回る数字でした。
市場参加者の受け止め方は「緊急の、大規模な景気てこ入れの必要は、どうやらなさそうだ」というものです。
ぶれない金利政策
中国はこれまでのハイパー成長から、よりバランスのとれた成長へ移行しようとしています。中国人民銀行は政策金利を一定に保っています。
現在の中国の政策金利の水準は、インフレと照らして考えた場合、若干、かためだという事が出来るかもしれません。しかしそれは不動産セクターの過熱を抑えるため、意図してやっていることで、下のグラフにあるように、実質政策金利が他の新興国のように乱高下していない点が目を引きます。
過度の信用成長を抑え込むことも、引き続きやっています。
輸出はまずまず
近年、中国の貿易には以前のような勢いはありません。それでも足下の輸出のペースは、しっかりしています。
消費はいまひとつ
中国は消費をより活発にする必要があります。これは時間のかかるプロセスです。なぜなら歴史的に中国の消費者は社会・医療保障制度などの点で他の先進国より保護されてなかった分、万が一の時に備えて貯蓄する習慣があったからです。
小売売上高のトレンドは、少し頼りないです。
国際間の投資資金のフローは安定
9月以降の米国株式市場の急落で、アメリカのフェデラルファンズ・レートの利上げのタイミングは、これまで考えられていた2015年6月頃というシナリオから、2015年秋以降という考えがだんだん主流になりつつあります。
それは利上げに伴うリパトリエーション(=投資資金の引き揚げ)のリスクが若干、遠のいたことを意味すると思います。
今年の春以降の新興国債券・株式に対する資金の流入は安定しています。
以上をまとめると、中国経済はソフトランディングを演出すべく手堅い経済政策を堅持しており、安定感があります。
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