今日のまとめ
- 日用品セクターは業績・株価が安定しており、長期保有に適している
- チャーチ&ドワイトは過去13年連続してEPS二桁成長
- クロロックスは配当利回りが高いのが魅力
- コルゲート・パルモリブは強いブランド力を持っている
- キンバリー・クラークはヘルスケア部門を分離する
- プロクター&ギャンブルは業績が安定しており配当利回りも高い
日用品セクター
日用品セクターはシャンプー、歯磨き粉、洗剤、パーソナルケア用品、ベビー用品などを含みます。これらの製品は、景気が良かろうと悪かろうと、毎日使うものなので、需要が安定しています。このため特に景気後退局面に強いです。このような特徴のことをディフェンシブ(防衛的)と言います。
一般に日用品の株は業績が読みやすく、株価も安定しています。財務的にもしっかりした企業が多いです。それは裏を返せば地味で華やかさに欠けることを意味します。このため景気が良いときや、ハイテク株などの高い成長性を持った株が人気になっている局面では、市場平均よりパフォーマンスが劣後する傾向があります。
ただ日用品セクターの持つ、そのような安定的な性格は、NISAのような長期投資の対象として適していると言えます。配当利回り的にも平均以上の配当を出している企業が多いです。
チャーチ&ドワイト
チャーチ&ドワイト(ティッカーシンボル:CHD)はクッキーなどのお菓子を焼いたり、冷蔵庫の消臭をする際に使われるベーキングソーダのブランド、「アーム&ハンマー」で知られています。
ベーキングソーダの持つ、クリーンなイメージを利用して、ベーキングソーダ入り歯磨き粉などの新製品も出しています。
洗剤の分野では同社は比較的後から参入した関係で、バリューを強調した価格設定をすることでシェアを伸ばしています。
また同社はコンドームの「トロージャン」、妊娠診断キットなども作っています。
同社は過去13年連続して一株当たり利益(EPS)が二桁成長しています。
これは日用品セクターで最も高い成長です。
同社は近年、積極的に配当を引き上げています。過去5年間の配当成長率は年率+45%でした。
同社の業績は極めて安定しています。
【略号の説明】
- DPS一株当り配当
- EPS一株当り利益
- CFPS一株当り営業キャッシュフロー
- SPS一株当り売上高
クロロックス
クロロックス(CLX)は漂白剤で知られる会社です。その他、クリーナー、プラスチックのごみ袋、猫砂などを作っています。
同社は有名なブランドを持っていますが、他社に比べプレミアムの価格設定になっているため、最近の経済の低成長局面では廉価な競合品からの激しい競争に晒されています。
過去5年間のEPS成長率は2.5%にとどまっており、これは平均以下のパフォーマンスです。
クロロックスは配当を重視しており、2013年の配当性向は61%でした。現在の配当利回りは3.25%で、日用品セクターの中ではかなり高い部類に入ります。
コルゲート・パルモリブ
コルゲート・パルモリブ(ティッカーシンボル:CL)は歯磨き粉で世界シェアの44%を支配しています。
同社は歯ブラシでもNo.1で、シェアは33%です。
こうした強力なブランド認知を背景に、同社は積極的に海外展開しており、新興国への食い込みも他社に先行しています。
去年は新興国通貨が崩れた関係で、為替差損を被りました。また経済が混乱しているベネズエラでは損を出しました。
キンバリー・クラーク
キンバリー・クラーク(ティッカーシンボル:KMB)はおむつの「ハギー」やティシューの「クリネックス」で知られる企業です。
紙製品が中心ですので原料となる紙・パルプの市況は重要です。
同社は5月にヘルスケア部門を別会社としてスピンオフする計画を米国証券取引委員会に提出していますが、未だ具体的な日程は固まっていません。
キンバリー・クラークの場合もコルゲート・パルモリブ同様、ベネズエラ経済の混乱が業績の足を引っ張りました。
プロクター&ギャンブル
プロクター&ギャンブル(ティッカーシンボル:PG)は日用品セクター最大の銘柄です。
同社はシャンプーの「ヘッド&ショルダー」、美容サロン向けブランドの「ウエラ」、髭剃りの「ジレット」、歯磨きの「クレスト」と「オーラル-B」、おむつの「パンパース」などを展開しています。
足下の業績としてはファブリック・ホームケアが好調で、ビューティー部門も堅調です。
同社の業績は極めて安定しており、株価も退屈なほど変動が少ないことで知られています。
配当利回りは3%を超えているので、長期保有に向いていると思います。
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