11-13年の利益見通し下方修正、本土市場での3G普及の加速が追い風

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
02342 京信通信系統控股有限公司(コンバ・テレコム・システムズ)  5.45 HKD
(01/10現在)
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BOCIは京信通信系統控股の2011-13年の予想EPSをそれぞれ8%、13%、9%下方修正する一方、同社株価の先行きに対する強気の見通しを継続した。これまでの株価の値下がりを受け、リスク・リワード比率が大幅に改善されたとの見方。本土系通信キャリアが3月に2012年の設備投資計画を発表するのに伴い、同社に対する再評価が進む可能性を指摘している。

2011-13年の利益見通しの下方修正は、主に本土系通信キャリア2社、チャイナ・テレコム(00728)、チャイナ・ユニコム(00762)向けのワイヤレス拡張製品・サービス販売が従来予想を下回る可能性が高まったため。また、利幅の高いサービスおよびワイヤレス・トランスミッションの販売伸び率の鈍化に伴い、製品ミックスが変化すると予想。さらに増収ペースの減速に伴う営業レバレッジ(売上高の変化に対する利益の感応度を示す指標)の低下を見込み、2012-13年の粗利益率、営業利益率の悪化を予測した。11年上期にストックオプションを実施したことも、12-13年の営業利益率を下方修正する一因になったという。

BOCIは中国本土の3G総加入件数について、12年末に2億1500万件へ倍増する見通しを示している。携帯電話全体の年間加入純増数は昨年の1億3300万人から1億3500万人に上向き、うち67%を3Gが占めると予想。また、通信キャリア3社の3G総収入は前年比170%の伸びを示し、データトラフィックも倍増すると予測している。こうした3Gの急速な普及はワイヤレス拡張ソリューション・プロバイダーの最大手であり、競合他社をしのぐ優れた流通システムを持つ京信通信系統控股に有利。BOCIはこの点が同社の優位を支え、長期成長を後押しするとみている。

本土系通信キャリア3社が今後明らかにする12年の設備投資計画について、BOCIは前年比わずか3%の伸びを予想しながらも、実際にはこの予想値を上回る可能性があるとみている。個別では、3G加入件数が加速しているチャイナ・ユニコムの設備投資予算がポジティブサプライズとなる可能性を指摘。逆にチャイナ・モバイル(00941)は比較対照となる前年数字(予測値)が相対的に高く、投資予算を大幅に積み増す可能性は低いとしている。

一方、BOCIは同社のリスク要因として、利益見通しがやや明確さを欠くことや、通信キャリア向けの売掛債権回収期間が長期化する可能性を挙げた。キャリア各社に対して支払い期間延長を申し出たことで、キャッシュコンバージョンサイクルが長期化し、結果的に収益力の後退につながる可能性に言及している。