中国の輸出の鈍化が国際サイトに影響、国内サイトが業績をけん引する見通し

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01688 阿里巴巴(アリババ)  8.16 HKD
(12/21現在)
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中国の輸出伸び率が鈍化傾向にある。2011年9月は前年同月比17.1%増、10月は同15.9%増、11月は13.8%増と3カ月連続で減速。BOCIのマクロ経済チームは今後もこの傾向が続くとみて、11年の輸出伸び率を前年比19.5%増、12年には同10%増にまで鈍化すると予想。輸入はそれぞれ23.5%増、12%増としている。国別にみると、インドやオーストラリアの輸出伸び率が20%台にある一方、欧米向けは10%台半ば。アリババの国際サイトの顧客に占める欧米企業の存在感は大きく、影響が懸念される。BOCIは国際サイト部門の11-12年予想売上高をそれぞれ前年比18.6%増、12年を同12.8%増に下方修正した。

一方、国内サイトの業績に関しては、親会社傘下のBtoCショッピングサイト「淘宝網(タオバオ)」とのシナジー効果や、業界再編によるシェア拡大の恩恵を踏まえ、引き続き楽観的な見方を維持。国内の電子商取引市場は11年下期以降、ベンチャーキャピタルが引き揚げるなど投資に陰りがみられ、資金繰りの厳しい企業が苦境に立たされている。上場で資金を調達しようにも、海外市場での中国株式の低迷や国内資本市場の弱気なセンチメントにより困難とみられ、今後業界淘汰が進むことが予想される。こうした状況は、営業および財務基盤のある大手企業にとってはシェア拡大の好機。5年以上の実績のあるアリババがこの恩恵を受ける最たる企業になるとみて、BOCIは同社がさらに強みを増すと指摘している。

また、国内サイト事業では新サービスの「良無限(Liang Wu Xian)」の成長が期待される。「1688.com」の会員資格厳格化により国内サイト有料会員数が減少、会員数の伸びは10年の34.9%増から11年は14.6%増に落ち込む見通しだが、「良無限」がこの影響を相殺するとBOCIはみている。また会員数も12年には16.2%増に回復し、さらには会員の質の改善が長期的な売上増につながると指摘した。一方、1-9月のその他部門(サードパーティーからの広告収入および国内サイトプラットホームの取引手数料収入)の11年1-9月売上高は前年同期比111%増と躍進。同部門の成長基調は12年も続くとみられ、国内サイトの総売上高は、11年に前年比18.7%増、12年には同22.5%増に達すると見込んでいる。

BOCIは中国の輸出鈍化が主力の国際部門に影響する点を踏まえ、同社の11-13年予想売上高の伸び率をそれぞれ2%、7%、17%引き下げ、前年比17.6%増、同16.3%増、同19.5%増とした。予想利益は11年を3%引き上げたが、12-13年については6%、16%下方修正。目標株価は12年予想PER24倍に下げたものの、現在の株価を47%上回る水準にある。好調な国内サイトや業界内での優位性を評価し、株価見通しを強気に据え置いている。