今週の日経平均ですが、17,000円台乗せでの推移が続いています。10月27日(木)の終値は17,336円でした。
(図1)日経平均(日足)の動き(その1)(2016年10月27日取引終了時点)
まずは上の図1で足元の状況を確認します。
27日(木)の取引時間には17,400円台に乗せる場面も見られたものの、結果的にはヒゲがやや長い十字陰線で終わっているのが気になりますが、9月5日の高値(17,156円)水準超えは維持しているため、一応上昇基調が続いていると言えます。基本的には前回の17,600円台までの上値メドの見通しに変更はなさそうです。
とはいえ、前回も触れた通り、現在の上昇トレンドは途切れかかった「バトン」が繋がった格好で形成しているわけですから、上値をトライする勢いについては過度な期待は持ちにくいところではあります。
また、足元で上値が抑えられているテクニカル的な要因としては、「移動平均線乖離3%」が意識されていると思われます。
(図2)日経平均(日足)と移動平均線乖離率(25日)の推移
上の図2は緩やかな上昇トレンド形成中の日経平均と25日移動平均乖離線の推移を示したチャートになります。7月の半ば以降、日経平均が移動平均線から3%ほど離れると、株価が修正されるパターンが続いています。そのため、25日移動平均線水準までの下落した場合のシナリオを想定しておく必要がありそうです。
修正後もトレンドが継続するのであれば、25日移動平均線辺りですかさず買いを入れるというのも手ですが、図2にもある通り、過去に25日移動平均線を下抜けてしまう場面が見られるため、下がったタイミングではなく、下げ止まりを確認し、直近高値を結んだ線を上抜けたところで買いを仕掛けるのが無難かもしれません。
また、「東証1部の騰落レシオ(25日平均)が高い」ことも指摘されています。
騰落レシオは値上がり銘柄数と値下がり銘柄数の割合を示したもので、騰落レシオが100%であれば、値上がりと値下がり銘柄数が拮抗していることを意味します。一般的にはこの騰落レシオが120%を超えると、相場が過熱しているとされ、天井が近いとされています。今週25日(火)から140%超えが続いていますが、27日(木)取引終了時の騰落レシオは150%に達しました。150%台をつけるのは2014年6月以来ですので、水準的にはかなり高いと言えます。
ただ、この騰落レシオが指摘する過熱感については、慎重に見た方が良いかもしれません。下の図3は、10月の日経平均と東証1部の売買代金、騰落レシオ、値上がり銘柄数と値下がり銘柄数の推移をまとめたものです。
(図3)日経平均と東証1部データ(売買代金、騰落レシオ、騰落銘柄数)の推移
一般的に、前日比であまり動いていない日の騰落銘柄数は拮抗する傾向にあるのですが、10月は日経平均が小幅な上昇でも、値上がり銘柄数がやたらと多くなったりするなど、値動きの割に、値上がり銘柄数と値下がり銘柄数の偏りが激しい日が目立っていることが分かります。
さらに、売買代金も2兆円を超えた日がまだ3日しかなく、薄商いが目立ちます。そのため、騰落レシオの数値が示すほど相場が過熱していないと見ることができます。
ここで判断のカギを握るのは日経平均の前日比かもしれません。27日(木)の取引終了で10月の18営業日を消化したことになりますが、前日比で下落したのは5日間と少なめです。ここでは掲載を控えますが、サイコロジカルライン(12日間)を見ると、直近で75%に達する場面があり、過熱感がまったくないわけではありません。
一方、逆張りの売買タイミングを探るのであれば、これまでにも何度か紹介しました、平均足の陰転とMACDのクロスが出現するタイミングが取引のポイントになりそうです(下の図4)。
(図4)日経平均の平均足とMACD
平均足の転換とMACDのクロスの組み合わせはトレンド転換を示すサインとされていますが、現在は10月に平均足の陽転、そしてその後のMACDのクロスによる上昇トレンドが継続中です。そのため、大幅急落でもない限り、売りを仕掛けるサインが出るまでに少し時間がかかるかもしれません。
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