10-12月期も業績は低迷、販売量の伸び悩みと償却費負担が重しに

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00168 青島ビール(チンタオ・ブルワリー)  44.95 HKD
(12/08現在)
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BOCIによると、青島ビールの業績は2011年10-12月期も引き続き停滞する見通し。販売量の伸びは7-9月期の前年同期比5.5%増に続き10-12月期も同2.7%増にとどまるとBOCIは予想している。販売店の在庫処分状況に不透明感が残ることや設備稼働率が低下している点を指摘し、10-12月期に赤字を計上する可能性があるとの見方を示した。BOCIは同社の11-13年業績予想について、利益を各3%、売上高を各2%下方修正。株価の先行きを慎重見通しに据え置いている。

BOCIは同社の10月のビール販売量が前年同月比6%減に落ち込んだものと予想(主力ブランドは同5%減)。11月には同5-6%増(主力ブランドは同2-3%増)に改善したと推定しているが、10-12月期はビール消費の停滞期のため、期中に販売店の在庫が一掃される可能性は低いとしている。さらに現在までの状況をみると、低価格ビールの消費がより高い傾向にあるため、BOCIは11年通年の主力ビール予想販売量を前年比16.0%増から同13.7%増に引き下げた。全販売量については14.2%増から12.5%増に見直している。また、12年1-3月期は前年同期の数値が高いことから(値上げを前に販売店が大量調達)、販売量の伸びはさらに悪化する見通し。

同社は今年、企業買収と生産能力拡大を推進したため、これに伴う赤字子会社の増加と多額の減損損失が見込まれる。販売費比率(対売上高)も7-9月期(17.3%)の低水準が10-12月期も続いており、通年では18.7%にとどまる見通し。ただ、12年には売り上げを増やすため、販売費比率が19.3%に上昇するとBOCIはみている。

青島ビールは先ごろ、広東省の活力ビールを競争入札で取得。買収額は明らかにしていない。活力ビールは広東省北部、湖南省南部、江西省南部の大手で、年間生産量は1500万ヘクトリットル(hl)。施設をアップグレード後、生産を開始するとみられる。

同社の大麦調達価格は12年1-3月期まで1トン当たり360-370米ドルに固定されている。同社は現在、オーストラリアのサプライヤーと新たな契約価格について交渉中。BOCIは4月以降の価格を1トン当たり300米ドルとして予想値を設定。今後調達コストが下がることがあれば、随時予想値を見直す方針。