11年9月中間決算は大幅増益、都市ガス販売量増加とLPGの利益率改善で

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00384 中国燃気控股有限公司(チャイナ・ガス・ホールディングス)  2.69 HKD
(11/30現在)
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中国燃気の2011年9月中間決算は、売上高が前年同期比21%増の79億1249万HKドル、純利益が同302%増の3億7361万HKドルだった。好調の要因は、1)業務用を中心に都市ガス販売量が予想以上に伸びたこと、2)コスト転嫁によるガス料金上昇、3)液化石油ガス(LPG)事業の粗利益率改善――が挙げられる。BOCIは都市ガスの販売量増加とLPGの利益率改善を踏まえ、12-13年予想EPSをそれぞれ4.1%、4.0%引き上げた。目標株価はDCF法に基づき12年予想PER14倍の水準に設定。株価の先行きは中立の見方に上方修正している。ただ、同社の財務状況に問題はないものの、LPGの利益が比較的不安定である点や役員の解任問題などガバナンスに不安要素があることから、ガス銘柄では中国燃気よりも華潤燃気控股有限公司(01193)を推奨している。

<都市ガス部門>

同社は11年9月までに151の都市ガス供給プロジェクトを獲得。12年3月には125のプロジェクトの敷設が完了し、ガス供給を開始する計画。供給開始後は継続的な利益貢献が期待される。

同社経営陣は供給源の拡大を理由に天然ガスの販売目標52億立方メートル達成に自信を示している。景気減速により業務用ガスの需要が大きく減ることはないと判断。同社は業務用の販売を今後も増やしていく方針という。また、ガス管接続事業に関しても不動産市場の停滞が懸念されるものの、収入へのネガティブな影響は限定的としている。

<LPG部門>

11年9月中間期にはLPG部門の粗利益率が4.51%と前年同期比で大幅に改善した。同社はコスト上昇分を価格に上乗せし、1トン当たり300元の利益を確保する契約を工業利用顧客と締結しているため、今後も利益率確保は確実。ただ、この契約で価格変動リスクを負うことになる顧客の買い控えが予想されることから、販売量の減少が見込まれる。経営陣は12年のLPG販売量目標値を180万トンから160万トンに引き下げているが、冬季需要の増加が販売量の落ち込みを相殺するとしている。

同社はLPGの小売業者、百江気体控股有限公司の株式51%を年末までに取得し、完全子会社化する計画。供給から小売りまでを統合することでバリューチェーンを拡大し、収益力の向上を図る。