今週の日経平均は16,500円をはさんだもみ合いが続いています。28日(木)の終値は16,476円でした。

(図1)日経平均(日足)の動き(2016年7月28日取引終了時点)

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

まずは、上の図1で足元の状況を確認します。

冒頭でも述べた通り、もみ合いが続いています。以前より指摘してきた想定レンジの上限付近での値動きをキープしていますので堅調ではあるものの、先週に射程圏内に入った節目の17,000円が「近くて遠い」印象です。

やはり、29日(金)に発表されるイベント、日銀金融政策決定会合の結果を待っている状況と言えそうですが、別の言い方をすれば、会合の結果次第で大きく株価が動く可能性も高いことになります。そこで、①結果を好意的に受け止めた場合と、②材料出尽くしもしくは失望された場合のシナリオを想定してみます。

まずは①のケースですが、節目の17,000円や直近の戻り高値水準である、17,251円(5月31日)や17,613円(4月25日)が上値のメドになりそうです。

(図2)日経平均(週足)の動き(2016年7月28日取引終了時点)

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

上の図2は日経平均の週足チャートです。

足元では鬼門の26週移動平均線を上抜けてきたところですが、日銀会合の結果が好感されれば、昨年12月からの下方向を意識したムードが好転することになるため、ひとまず、1年間の値動きの中心線である52週移動平均線の回復する動きが考えられます。28日(木)取引終了時点の52週移動平均線は17,550円ですので、先ほど紹介した4月高値(17,613円)よりもやや低い水準となります。また、マイナス金利の導入が決定された今年1月29日の日経平均の高値が17,518円だったこともあり、上値を試すのであれば17,500円前後というのがかなり意識されそうです。

反対に、②のケースを考えて見たいと思います。こちらは下値を探る展開となります。あらためて図1を見てみますと、25移動平均線が上向きになっているため、普通に考えればサポートとして機能しそうなイメージです。

実際、このパターンは4月にも見られました。当時も金融政策期待で上昇している点や、25日移動平均線を超えてきた点が足元の状況と共通しています。その後、4月29日の会合で「ゼロ回答」だったことを受け、その日の日経平均は25日移動平均線水準まで下落しました。そして、月を跨いで25日移動平均線を下抜けてもう一段下落したわけですが、下げ止まったのは、25日移動平均線から約3%マイナス方向に乖離した水準でした。

このパターンを当て嵌めるのであれば、28日(木)の25日移動平均線(15,990円)、もしくはそこからマイナス3%乖離の水準である15,510円が意識されそうです。