今週の日経平均は戻り基調を辿っています。7月14日(木)の終値は16,385円でした。
(図1)日経平均(日足)の動き(2016年7月14日取引終了時点)
いつもの様に足元の状況を下の図1で確認します。
今週に入り、日経平均が急角度で値を戻してきたことがわかります。25日移動平均線もあっさりと上抜けし、現在は75日移動平均線辺りで上昇が一服している印象です。ちょうど、英国国民投票の急落前の水準でもあります。
想定よりも強い結果となった米雇用統計や、与党勝利に終わった国内参院選といったイベント通過のアク抜け感に加え、最高値を連日で更新している米株市場と国内の経済政策期待がさらに背中を押している格好です。とりわけ、バーナンキ前FRB議長が来日し、黒田日銀総裁や安倍首相と相次いで面談したことで金融政策への期待が高まったことが大きいようです。いわゆる「ヘリコプター・マネー政策」への思惑ですが、菅官房長官は「(ヘリコプター・マネー政策を)検討していない」とコメントしてはいるものの、バーナンキ氏の来日スケジュールが参院選直後というタイミングであることから、やっぱり意識せざるを得ないのかもしれません。
基本的には、以前より紹介しているレンジ相場内での動きが続いているわけですが、足元の株価の回復によってレンジの上限が視野に入ってきました。レンジ上限の水準は大体16,750円ぐらいになります。引続きレンジ相場内での推移になるのであれば、レンジ上限が上値のメドとなり、想定されるメインシナリオとなりそうですが、あらためて図1を見てみますと、「プチ・トリプルボトム」を形成しているようにも見えるため、レンジを突破する可能性も考えておく必要がありそうです。
下の図2は、日経平均の平均足とMACDの推移です。
(図2)日経平均の平均足とMACD(2016年7月14日取引終了時点)
7月に入り、平均足は陰転と陽転を繰り返していますが、MACDはなんとかシグナルを下抜けしきれずに踏みとどまっていて、6月下旬からの上昇トレンドを維持している格好です。また、MACDも0円ラインを上抜けできれば、かなり相場のムードは良くなると思われ、先ほどのレンジ上限を突破する可能性が高まりそうです。
とはいえ、レンジ突破にはもうひとつ試練が残されています。それは、下の図3にもあるように、週足ベースの日経平均の26週移動平均線です。昨年12月から始まった下落トレンド以降、戻り高値が悉くこの26週移動平均線で跳ね返されており、まさに「鬼門」となっています。
ただし、平均足とMACDを週足でも見てみますと、平均足が陽転し、MACDがシグナルを上抜けしそうな状況でもあります。まだまだ油断はできませんが、意外高となる兆しも見えてきている気がします。
(図3)日経平均(週足)の動き(2016年7月14日取引終了時点)
(図4)日経平均(週足)の平均足とMACD(2016年7月14日取引終了時点)
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