価格と販売量のせめぎ合い、生産調整で安定的な価格を維持

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
03323 中国建材股フン有限公司 (チャイナ・ナショナル・ビルディング・マテリアル) 9.10 HKD
(11/22現在)
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中国建材股フン有限公司(CNBM)の10月の業務実績は、同社の業績が順調に推移していることを示している。2011年10-12月期に需要の大幅な伸びは期待できないものの、価格と供給の調整により今後も特に中国東部で安定的なセメント価格が維持される見通し。また、再び東部で生産調整が実施される可能性があり、さらなる価格上昇も見込まれる。BOCIは同社の株価の先行きを強気見通しに据え置いている。

冬季に入ったものの、需要の集中する東北地域の生産拠点「北方水泥有限公司」の10月の粗利益は1トン当たり113元の高水準を維持(10年1-10月の平均粗利益は61元)。9月には一時130元に達した。傘下の「中国聯合水泥集団有限公司」、「南方水泥有限公司」、「北方水泥有限公司」の1-10月の平均粗利益はそれぞれ1トン当たり89元、118元、89元。BOCIは現在までの状況を踏まえ、11年予想粗利益を6%引き上げ1トン当たり100元に修正した。1-10月の平均粗利益が同105元であることを踏まえれば、これは控えめな数値。予想値に基づく10-12月期平均粗利益は前期比9%減の1トン当たり93元。

1-10月の販売量が1億4,100万トンだったことを踏まえ、BOCIは11年通年の予想販売量を1億8,000万トンから1億7,600万トンに引き下げた。さらに、同社は中国東部で少なくとも7-10日間の生産調整を再実施するとみられるため、11-12月の月間生産量は前月比横ばいと予想している。

12年のセメント需要の伸びは緩やかとみられ、最近の生産調整からピークシーズンにおいても需要が低迷していることが再確認されたが、BOCIは供給サイドでの調整によりセメント価格は今後も安定的に推移するとの見方を強調している。

BOCIは魅力的なバリュエーションと東部および東北部での需要を踏まえ、中国建材を引き続きトップピック銘柄としている。生産調整などにより、セメント価格のさらなる上昇も見込まれる。