今週の日経平均ですが、下値を探る展開が目立っています。6月16日(木)の終値は15,434円でした。

(図1)日経平均(日足)の動き(2016年6月16日取引終了時点)

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

足元の動きを上の図1で確認してみます。

「窓」空けで始まった今週の日経平均は、5月安値(16,000円割れ水準)や4月安値(15,500円割れ水準)と、直近安値をうかがう格好で下落しています。前回、日経平均の平均足とMACDの動きを踏まえて「下振れに注意」としましたが、残念ながらその通りになってしまいました。また、数カ月にわたって続いた保ち合いレンジも下抜け、あまり良い状況とは言えません。

この流れで行けば2月の安値である15,000円割れ水準も意識されることになり、目先のポイントは、足元の下落基調がトレンドとして続くのかどうかになります。そこでいくつかのテクニカル指標で確認してみます。まずは先程も触れた、日経平均の平均足とMACDです。

(図2)日経平均の平均足とMACDの動き(2016年6月16日取引終了時点)

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

日経平均の平均足は、6月あたまに陰転(陽線が陰線に変化)し、数日後にMACDがシグナルを下抜けて下落トレンド転換のサインとなりました。その後、平均足は陽線が出現するものの、MACDがシグナルを上抜けることができず、下落トレンドが続いている格好です。さらに、MACD、シグナルともに0円ラインを下回っていることも良い材料ではありません。下落トレンドの転換は、平均足の陽転とMACDのシグナル上抜けがサインとなります。

次に、ボリンジャーバンドです。

(図3)日経平均のボリンジャーバンド(2016年6月16日取引終了時点)

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

ボリンジャーバンドでは足元の下落によって、直近で狭くなっていたバンドの幅が拡大しつつあり、トレンドが発生したような印象を受けます。とはいえ、拡大したバンドの幅は4月~5月の時と比べてもまだ小さいため、現時点ではトレンドの継続を判断するにはもう少し様子を見る必要がありそうです。

次に、日経平均の値動きと売買の状況です。

(図4)日経平均の値動きと東証1部売買代金(2016年6月9日~16日)

日付 日経平均終値 "前日比(円)" 日中値幅 売買代金
6月9日 16,668円 -162円 198円 1兆7,853億円
6月10日 16,601円 -67円 147円 2兆4,548億円
6月13日 16,019円 -582円 316円 1兆8,518億円
6月14日 15,859円 -160円 320円 1兆9,892億円
6月15日 15,919円 60円 245円 1兆9,253億円
6月16日 15,434円 -485円 517円 2兆1,355億円

(出所:取引所公表データを元に筆者作成)

図4からは、あらためて下落の日が多いことがわかります。9日~16日の6営業日のあいだに日経平均は1,200円以上も下げています。また、東証1部の売買代金が2兆円を超えた日もありますが、うち、10日はメジャーSQだったことを踏まえると、全体的にはまだ盛り上がりに欠けています。つまり、なかなか買いが入らないため、下げ幅が大きくなっていると考えることもできます。

(図5)日経平均(週足)の動き(2016年6月9日取引終了時点)

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

さらに、週足チャートで見ても、3本の移動平均線(13週・26週・52週)が揃って下向きになっているほか、日経平均が26週移動平均線を上抜けきれない状況が続いており、中期的にもまだ下落トレンドと言えます。

いずれにしても、下げ止まりを待つことになります。数カ月にわたって値動きの想定としていた図1の保ち合いレンジを下抜けてしまったことが大きく、新たな下落トレンドが発生したのか、一時的な下振れなのかどうかはまだ判断できない状況です。そのため、売買戦略としては、このままトレンドに乗るよりも、まずは下げ止まりからの反発ねらいや、そして移動平均線などの節目水準まで株価が戻ったところで、第96回でも紹介しました売り仕掛けを検討するなどが無難かもしれません。