今週の日経平均ですが、4月以来となる17,000円台を回復する上昇を見せた後、下落に転じる展開となっています。6月2日(木)の終値は16,562円でした。

(図1)日経平均(日足)の動き(2016年6月2日取引終了時点)

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

足元の状況を上の図1で確認してみます。

先週、レンジを突破した日経平均ですが、今週火曜日(5月31日)に17,251円まで上昇する展開となりました。この水準は前回上値のメドとして紹介しました、「4月の高値どうしを結んだ線」の水準です。日経平均も今年になって初めて5連騰となっていましたから、この動き自体は悪くなかったと言えます。

ここまでは想定通りだったのですが、その後は一転して下げてしまいました。特に6月2日(木)のローソク足は「窓」を空けた陰線になっているほか、下値を結んだサポートラインをやや下抜けていますので、わずか3日間で上値のメドから下値のメドまで値動きが振れたことになります。一応、75日移動平均線のところで踏みとどまっていて、サポートとして機能しているように見えますが、同じような形が「ゼロ回答」だった日銀金融政策決定会合で急落した4月末(28日)にも登場しており、この時の日経平均は一段安になりました。

結局、強弱両方のサインが読み取れ、スッキリと分析できないのがもどかしいですが、少なくとも、足元の相場が崩れてしまうかどうかの判断材料として、平均足とMACDの動きに注目しています(下の図2)。

(図2)日経平均の平均足とMACDの動き(2016年6月2日取引終了時点)

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

平均足とMACDを組み合わせて見る手法はこれまでにも何度か紹介しました。

平均足の特徴として、トレンド発生中は上昇トレンドならば陽線、下落トレンドならば陰線が続く傾向があります。ですので、トレンド転換を示すサインは、これまで続いていた陽線に陰線が出現する、もしくはその反対となります。ただし、平均足はその特性上、早めにサインを示しますので、その分だけ「ダマシ」があります。そこで、MACDを組み合わせて、可能な限りダマシを排除しようと言うものです。具体的には、連続している平均足の陽線なり陰線が途切れた際に、MACDとシグナルがクロスするかどうかを見ていきます。

一般的に、平均足がトレンド転換を示した後に、MACDとシグナルが交差すると、トレンド転換になることが多いとされています。もちろん、ハズレもありますが、それでもかなりダマシを減らすことができます。上の図2の直近の平均足でも、陽線が続く上昇トレンドの最中に、陰線が時折出現していますが、MACDとシグナルがクロスしていないため上昇が続いています。ですので、MACDのクロスを回避できるかどうかが目先のポイントになりそうです。

また、MACDは、短期と中期の(平滑)移動平均の価格差を示している線です。ですので、MACDが0円よりプラス方向に大きいと、「短期>中期」となり、上昇トレンドとなります。逆にマイナス方向に大きいと「短期<中期」ですので、下落トレンドになります。MACDとシグナルのクロスと同様に、足元のMACDが0円ラインを維持できるかどうかも重要です。