今週に入ってからの日経平均ですが、4月21日(木)終値が17,363円となり、節目の17,000円台を回復したほか、直近高値である3月14日の17,291円を超えるなど、相場地合いの良さが感じられる展開となっています。
(図1)日経平均(日足)の動き(2016年4月21日取引終了時点)
いつもの様に、上の図1にある日足チャートで足元の状況を確認してみますが、結論から言ってしまうと、テクニカル的には「ちょっと怖い」ぐらいに明るい材料が揃っています。まず、日経平均株価が冒頭でも述べたように3月高値を超えてきたことをはじめ、前回は微妙だった75日移動平均線を上方向に抜け切ったことや、保ち合いのレンジも上抜けてきました。移動平均線についても、5日線が25日線と75日線を上抜けしています。
また、ローソク足の並びにも注目してみます。下の図2を見ていただくのが早いのですが、今週に入ってからのローソク足は、陰線、陽線、陰線、陽線という並び順になっています。
(図2)直近の日経平均(日足)のローソク足
ポイントは最初の3本である18日(月)~20日(水)のローソク足です。注目したいのは、「①18日(月)と19日(火)の始値がほぼ同じ水準であること」と、「②19日(火)と20日(水)の終値もほぼ同じ水準であること」の2点です。
①は、同じ始値を基準にそれぞれ上方向と下方向に分かれるローソク足の組み合わせです。これは「振り分け線」と呼ばれています。②は前日の上昇を受けて、さらに一段高で取引が始まったものの、終値は前日と変わらなかったという組み合わせです。こちらは「出会い線」と呼ばれています。
この振り分け線や出会い線の細かい見方は別の機会で紹介したいと思いますが、ここでは、両者とも「○○線」と名前がつけられていることから、何かしらのサインを示しているっぽいことだけを押さえてください。より分かりやすくするために、この4本のローソク足を合成して3本にまとめてみます(下の図3)。
(図3)ローソク足の合成
実際に合成してみますと、下ヒゲの長い陽線、上下のヒゲの長い十字線、下ヒゲの長い陽線にまとめられます。下ヒゲの長い陽線は「売られる局面もあったが、跳ね返して終値では上昇した」ことを意味しています。3月は約1カ月にわたって17,000円水準でのもみ合いが続いたため、戻り待ち売りが意識されやすかったのですが、足元のローソク足の動きをみると、こうした売りをこなしながら上昇してきたことが分かります。
ちなみに、直近の日足チャートの形は、「カップ&ハンドル」という買いパターンも示しているように見えます。
(図4)日経平均(日足)の「カップ&ハンドル」
今年に入ってから明るい材料を書くことがあまり多くなかったので、つい調子に乗って書いてしまいましたが、短期テクニカル的には強気とみて良いと言えます。
とはいえ、足元の相場は、来週から本格化する国内企業決算シーズンを控え、株価の割高感や割安感といったバリュエーション面が意識されやすいことや、大型連休などが予定されていることを差し引いて考える必要があります。
そのため、早めの利益確定や、前回の週足チャートで想定した、26週・52週移動平均線が上値の目処になるというシナリオに修正はありません。21日(木)取引終了時点での26週線は約17,700円、52週移動平均線は18,600円です。18,000台の前には2月の高値(17,905円)が控えています。また、週足チャートでは引続き下落トレンド中ですが、下の図にあるように中立の線を超えてきましたので、「強気~中立」ゾーンの維持が今後の注目点になりそうです。
(図5)日経平均(週足)の動き
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