欧州のECB理事会、国内の日銀金融政策決定会合、米国FOMCと、3月の注目「金融政策イベント」トリオを通過した今週の株式市場ですが、日経平均は17,000円台を挟んだ推移が続いています。まずはいつものようにまずは足元の状況から見ていきます。

(図1)日経平均(日足)の動き(2016年3月17日取引終了時点)

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

上の図1で状況を整理してみます。3月17日(木)の日経平均終値は16,936円でした。取引時間中は17,253円まで上昇する場面もありましたが、結果的に3日続落となってしまいました。高値をつけた後に伸び悩んでいる状況は先週とほぼ同じです。

上値の重たさからの売り転換も想定されやすいため、売り仕掛けのポイントとなりやすいトレンドラインが意識されている状況ですが、このラインも下抜けすることなく粘り腰を見せています。仮にこのラインを下抜けしてしまっても、上向きに転じた25日移動平均線が控えていますので、サポートとして機能しそうです。売り崩すにもパワーが必要となるため、その結果、「何だかんだで戻り基調」が続いているわけですが、日経平均が節目の15,000円を2月12日に割りこんで以来、約2,000円も値を戻してきましたし、気が付けば75日移動平均線も射程圏内に入っています。買いの勢いは決して強くないとはいえ、この75日移動平均線までは上昇してもおかしくないという印象です。では、このまま75日線を超えて上昇していく可能性はあるのでしょうか?

そこで、少しチャートの期間を広げて見ていきます。すると、昨年夏場のいわゆる「チャイナ・ショック」後の戻り局面と上昇の仕方が似ていることに気付きます(下の図2)。

(図2)日経平均(日足)とMACDの動き(2015年8月1日~)

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

チャイナ・ショック後の戻り基調は約2カ月にわたって継続し、上昇幅は約3,000円でした。昨年9月の終わり頃の底を出発点に、力強さはないものの、トレンドラインを維持しながら上昇していきました。底打ちから2,000円ほど戻したところで75日移動平均線とぶつかり、しばらくもみ合いが続いた後、1,000円ほど上げ幅を拡大しました。今回もトレンドラインを維持しながら上昇していることや、底打ちから約2,000円戻したところで75日移動平均線が意識されている点など、当時との共通点があります。さらに、下段のMACDの波長も似ています。

過去のパターンを繰り返すとは限りませんが、基本シナリオは戻り基調継続で利益確定はMACDとシグナルのクロス、上値水準の目処は75日移動平均線もしくは18,000円となりそうです。シナリオの修正を行うのは25日移動平均を下抜けた時となりそうです。決して悪くない相場地合いですが、個人的には25日移動平均を中心とした弱含みの日柄調整が欲しいところです。足元の「何だかんだで底堅い」相場展開は、結果的に株価水準が切り上がっているものの、やはり買いの勢いが感じられにくい中では売買のタイミングが難しくなります。