販売量伸び悩みで7-9月期に1%減益、11-12年の利益見通しを下方修正

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00168 青島ビール(チンタオ・ブルワリー)  43.65 HKD
(10/28現在)
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青島ビールの2011年7-9月期の純利益は前年同期比1%減の6億7400万元と、市場予想を下回った。主に販売量伸び率の減速が背景。BOCIは需要閑散期に当たる10-12月期の挽回は難しいとみて、11年通期の利益下振れリスクを指摘。11年、12年の利益見通しをそれぞれ4%、3%下方修正した。また、市場が下期の収益力を過度に楽観しているとの見方を示した上で、12年、13年の低成長が評価の後退につながる可能性に言及し、同社株価の先行きに対して慎重見通しを継続している。

7-9月期のビール販売量は前年比5.5%増。BOCIは9月単月の販売量が前年同月比2-3%の伸びにとどまったと推定し、7月の同9-10%、8月の4-5%から減速したとみている。うち主力ブランドの販売量は7-9月期に前年同期比10%増。仮に山東新銀麦ビール(Yinmai)の買収効果を除外した場合、非主力ブランドの販売量は前年実績を下回った計算となる。BOCIは11年通期の主力ブランドの予想販売量伸び率を前年比17.0%から16.0%に下方修正。ビール全体の販売量伸び率についても15.0%から14.2%に下方修正した。

また、非主力ブランドの収益性悪化や買収、生産増強計画などを理由に、BOCIは減損費用が膨らむ可能性を指摘。主に10-12月期の計上を予想している。

オオムギ調達価格は12年1-3月期まで1トン当たり360-370米ドルで固定されているが、需給ひっ迫感が残る中、続く4-6月期も高止まりする見込み。BOCIはこの点で、コスト削減は難しいとみている。

対収入比の販売費比率は11年7-9月期に17.3%(前年同期は17.9%)の低水準にとどまった。BOCIによると、10-12月期も低率で推移し、11年通期には18.6%となる見込み。ただ、販促強化を受け、12年にはこの比率が19.3%に上向くと予測している。

BOCIは11年、12年の増益率をそれぞれ前年比8%、13%と予測する一方、現在株価の12年予想PERが25-26倍の高水準に達している点を指摘している。また、13年までは利益成長率の明らかな加速には期待しにくいとみている。