今週の日経平均ですが、節目の16,000円台を挟んだもみ合いが続き、今のところ、先週からの値動きに大きな変化はみられません。国内企業の決算発表が一巡したことや、週末(2月26日~)のG20財務相・中銀総裁会合を控え、様子見ムードの印象です。

(図1)日経平均(日足)の動きと東証1部の売買高 (2016年2月25日取引終了時点)

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

まずは、上の図1で状況を確認してみます。株価の上値が重たいことや、売買高の低調が続いており、短期的に保ち合いとなっています。また、前回紹介しました、「売り仕掛け」のポイントですが、今週22日(月)の高値(16,350円)が16日の高値(16,341円)をわずかながら超えたことで、売り仕掛けの目安となるトレンドラインの傾きが少し緩やかになりました。売り崩す勢いも一服しているため、上方向も下方向も手詰まり感があるような格好です。

基本的に、今後のシナリオとして想定していた、①買い安心感が広がり、戻りのメドとされる25日移動平均線も突破してさらに上昇、②25日移動平均線水準まで戻した後、もみ合いが続く、③Wボトムを形成する格好で再度底打ちを確認してく、の3つに変化はありませんが、このままの値動きが続くと、まもなく日経平均株価と25日移動平均線がぶつかりそうな感じのため、近いうちに相場が動意付く可能性がありそうです。

そこで、中期的な視点でも状況を確認してみます。下の図2は日経平均の週足チャートです。

(図2)日経平均(週足)の動き(2016年2月25日取引終了時点)。

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

図2を見てみますと、2月第二週に大きな陰線をつけた後に陽線が2本続き、戻りを試している状況です。注目したいのは、この2本の線がともに大陰線の値幅の範囲内にとどまっているという点です。いわゆる「はらみ足」ですが、大陰線の実体の値幅が14,952円~16,620円とかなり広い範囲になっているため、その分、「下げ三法」と呼ばれる形になりやすい状況です。

下げ三法とは、下落トレンドの最中において、大陰線の値幅の範囲内で3本の陽線が収まる形です。この陽線3本を一時的に相場が休んでいる状態と捉え、その後に安寄りの陰線が出現したら再度下げが強まる可能性が高いとされています(下の図3)。

(図3)下げ三法

ただし、ポイントとなるのは下げ三法の形そのものではなく、「大陰線の範囲内にローソク足が収まっている状況が続いている期間は様子を見た方が良い」ということです。下げ三法は本間宗久が編み出した酒田五法の教えのひとつですが、「休むも相場」の一例です。下げパターンとして紹介されることが多いのですが、反対にこの大陰線の範囲を上抜けるローソク足が出現すれば、上昇に弾みがつくことになります。

ですので、目先の日経平均のテーマは「25日移動平均線との絡み方」と、「大陰線の範囲の継続・上抜け・下抜け」の2点に絞られそうです。