2016年の相場が始まりました。日経平均は大発会の1月4日(月)に前年末比582円安と、いきなりの大幅安でスタートし、その後も下げ幅を広げる展開が続いています。7日(木)の終値も17,767円で大きく下落しています。年明け早々にガラリと相場の様相が変わった印象で、今年は申年ですが、「申酉騒ぐ」の相場格言を地で行くような幕開けと言えます。

(図1)日経平均(日足)の動き① (2016年1月7日取引終了時点)

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

まずは足元の状況を確認してみます。あらためて、年初からの下げっぷりが目立ちます。昨年12月24日時点(第88回)で想定していた、「トレンドライン②をサポートに推移」というシナリオがあっさり打ち砕かれてしまいました。にわかに下げムードが強まったことで、「一体どこまで下がるのか?」、が気になるところです。

じつは、相場の下落自体は突然始まったわけではなく、昨年12月1日の終値(20,012円)をピークに下げ始めています。振り返ると、9月につけた安値(16,901円)からこの日まで、約2カ月にわたって目立った調整がないまま上昇してきており、上昇幅は3,111円でした。そこで、この上昇幅に対する押し目ラインを下落局面に重ね合わせたのが下の図2です。

(図2)日経平均(日足)の動き② (2016年1月7日取引終了時点)

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

いわゆる押し目のラインは、「3分の1押し」、「半値押し」、「3分の2押し」などが目安になることが多いとされています。今回の上昇幅からみた押し目のラインは、それぞれ、18,975円、18,457円、17,938円となります。実際の下落局面に当て嵌めて見ると、とりわけ12月中旬から年末にかけては「3分の1押し」が意識されていたことが分かります。

7日(木)の取引終了時では、「3分の2押し」となる17,938円を下回ってしまいましたが、相場が崩れていなければ、「3分の2押し」が意識されることになり、目先の反発も考えられます。その際には、ちょうど75日移動平均線が「3分の1押し」の水準に位置していることもあり、ここまでの戻りは期待できそうです。その後は図1のトレンドラインが抵抗となりそうです。

一方、このまま下がってしまう場合のシナリオも描いて見ます。その際には9月の安値である17,000円割れが視野に入ります。そこまで下落してしまうと、上昇分がすべて帳消し、つまり「全値押し」になります。

(図3)日経平均の動き(週足)

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

上の図3は週足の日経平均です。相場が「全値押し」の方向に向かった場合、ダブルボトム(二番底)をつけにいくことになりますが、その後はネックラインを超えて上昇が加速するかが注目されることになります。ただし、想定されるネックラインは2万円の水準となるため、よほど相場環境が変わらない限り、そのハードルは高そうです。

よって、目先の反発シナリオ、下落継続シナリオの両者とも、「2万円から先」をイメージしにくく、中長期的にはレンジ相場へ移行する可能性が高いと見ておいた方が良さそうです。