11月入りとなった今週の日経平均ですが、月初となる2日(月)の取引では前営業日比で約400円下落したものの、その後は持ち直し、5日(木)取引の終値は19,116円となり、これまで上値を抑えていた75日移動平均線に乗せて終えることができました。「2日新甫は荒れる」という相場格言というか、ジンクスは気になるところですが、今のところは堅調と言えます(下の図1)。

(図1)直近の日経平均(日足)の動き (11月5日取引終了時点)

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

あらためて図1でも確認できるように、ここのところの日経平均は19,000円水準でのもみ合いが続いています。冒頭でも触れたように75日移動平均線を回復してきたことや、9月29日安値を起点としたトレンドラインを維持し、下値が切り上がっていること、出来高も最近は増えてきている印象ですので、確かに上値の重たさが感じられる状況は続いているものの、市場のエネルギーが蓄積されつつあり、現時点ではどちらかというと上放れ(上昇)への地ならしをしているようにも見えます。

また、ボリンジャーバンドとMACDでも日経平均の動きを確認してみます(下の図2)。

(図2)日経平均(日足)のボリンジャーバンドとMACD (11月5日取引終了時点)

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

まず注目したいのがボリンジャーバンドの傾きです。10月下旬まで横ばいだったのが、最近はバンドの幅がやや広がり、傾きが発生しつつあるように見えます。また、-2σの線が上向きに転じていますが、反対側の+2σも同じように上向きを持続することができれば、トレンド継続中を示す「バンドウォーク」の状態に入る可能性があります。上昇トレンドであれば、バンドが右肩上がりの中、株価が+2σと+1σのあいだを上げ下げしながら上昇していくイメージです。ただし、ハッキリと確認できない状況ですので、バンドウォークと判断するにはまだ早い状況ですが、下段のMACDでも順調に上昇基調を辿っていますので、これまで順調に値を戻してきたことが分かります。

ただ、ボリンジャーバンド、MACDの両者とも傾きがやや緩やかですので、上昇基調が継続していくのか、一服しつつあるのかの判断がつきにくい点には注意が必要です。そのため、市場のエネルギーも併せて見ていく必要があり、出来高に対する重要度が普段より高まっていると言えそうです。

無事に日経平均が上放れることができれば、節目の19,500円や20,000円を目指す動きが想定されます。前回も紹介しましたが、8月急落時に空けた2つの「窓」を埋める展開です。ただし、窓を埋めるにもエネルギーを要します。買いに勢いをもたらすきっかけや材料が出て、一気に節目を試す動きに期待したいところですが、引続きエネルギーを蓄積し続ける展開となれば、ひとまず調整を迎える可能性もあります。その場合には、図1のトレンドラインを下抜けることになりますので、次のトレンドラインを描く水準を探る動きとなります。意識されやすいのは節目の18,500円や25日移動平均線あたりになると思われます(下の図3)。

(図3)日経平均(日足)の動き その2 (11月05日取引終了時点)

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)