月を跨ぐタイミングということもあって、今週の国内株式市場も値動きが荒い展開が続いています。日経平均の動きを辿ると、週初の9月28日(月)は前週末の水準である17,500円台後半を維持したものの、翌29日(火)は700円を超える下げ幅を見せて17,000円台を割り込み、年初からの上げ幅が帳消しとなる場面がありました。その後は反発し、月初となる10月1日(木)の終値は17,722円まで戻しましたので、ほぼ「下げた分を取り戻しつつある」状況です。

(図1)直近の日経平均(日足)の動き その1 (10月1日取引終了時点)

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

あらためて、上の図1で足元の日経平均の動きを見てみますと、29日(火)の下落によってこれまでの直近安値だった8日の安値(17,415円)を下回ってしまったことで、前回指摘した「三尊底(ヘッド&ショルダー)」を形成することはできませんでした。とはいえ、高値どうし・安値どうしを線で結ぶと、今週も下降気味のレンジ相場が継続していることになります。

(図2)直近の日経平均(日足)の動き その2 (10月1日取引終了時点)

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

このレンジ相場は1カ月以上続いていますので、そろそろ「レンジ抜け」も意識されそうです。まずは、抵抗となっているレンジ上限の「ネックライン」を超えられるかがポイントになります。移動平均線でみても、25日線の水準がちょうどネックライン付近にあります。これまで、ダブルボトム(二番底)やヘッド&ショルダー(三尊底)など、相場の底打ちが期待できる形が実現しそうな場面がありながらも、結局ズルズルと下値を切り下げて来た経緯があるため、今度こそ「三度目の正直」ではありませんが期待したいところです。

では、週足のチャートでもトレンド転換の兆しがあるのかもチェックしてみたいと思います。

(図3)日経平均(週足)チャート(10月1日取引終了時点)

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

これまでのところ、今週のローソク足は下ヒゲの長い線です。冒頭でも触れた様に、下げた分を取り戻しつつある状況を示しています。売りの圧力を押し返しているわけですから、下落局面で下ヒゲの長い線が出ると、相場の底打ちを示すサインになることが多いとされています。

ただし、直近では8月の最終週に下ヒゲがすごく長い線が出現したものの、翌週がその下ヒゲを埋める大きな陰線だったことで、底打ちにならなかった場面がありました。そのため、先行きに対して不透明感が強い状況になっている印象で、今回も翌週の動きを探りながら底打ちを確認する動きとなりそうです。また、仮に先ほどのレンジ相場を上抜けできたとしても、戻りの目処としては52週移動平均線が意識されそうです。現在の52週線の水準は18,600円ぐらいです。

逆に、トレンド転換できずに、再び下値をトライする動きになってしまった場合は16,500円の水準が注目されそうです。昨年10月末にいわゆる日銀の追加金融緩和が決定されましたが、決定以前の日経平均の高値圏にあたるのが16,500円水準です。別の言い方をすれば、ここまで下落してしまうと、日銀追加金融緩和効果が打ち消されることにもなるため、強く意識されると思われます。