今週の国内株式市場は、「約9年ぶりの利上げはあるのか?」で注目を集める米FOMCが控える中でもみ合いの格好となり、日経平均は18,500円近くになると上げ幅を縮小し、逆に18,000円水準になると下げ止まるようなレンジ相場の動きが続きました。重要イベントを前に様子見が強かったと言えます。

そのFOMCの結果ですが、結局利上げは見送られました。FOMCに対する詳細な分析は他のレポートやコラムに譲りますが、今後の米金融政策についての不透明感は払拭されませんでした。また、FOMCを受けた米NYダウが下落、為替も円高となったことや、国内市場が来週のシルバーウィークの連休に入ることもあって、9月18日(金)の日経平均は反落スタートとなりました。

(図1)直近の日経平均(日足)の動き その1 (9月18日9:30時点)

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

上の図1はFOMC後の18日の午前9時30分時点の日経平均の日足チャートです。

FOMC後の反応は、イベント通過によるアク抜け感で方向感が出たというよりは、あまり状況が変わっていない印象です。前回も紹介した「下降気味のレンジ相場」も、FOMC直前の17日(木)にレンジ上限の水準まで上昇したものの、上抜けできていません。また、相変わらず9日の大陽線が目立っていますが、その9日以降のローソク足は、大陽線の範囲に収まる形の「はらみ足」が続いており、もみ合いながら値固めしていく、いわゆる日柄調整の段階に入ったと考えることができます。

その9日の大陽線ですが、この日の日経平均の上昇幅(1,343円)は、記憶を紐解くと歴代で6番目になります。ちなみに過去の上昇幅ランキングは以下の通りになります。

(図2)平成バブル最高値後の日経平均上昇幅記録と日経平均月足チャート

(過去データを元に楽天証券経済研究所が作成)

大きな上昇幅は市場のムードを励ますものですが、歴代の大幅上昇が出現した時をみると、「下落トレンド発生中の一時的な反発だった」という場面が多いことに気付きます。ですので、今回の大陽線前の8日安値(17,415円)が目先の底値とされていますが、「もしかしたらこの水準を下回ってしまうかもしれない」ことは、頭の片隅に置いた方が良いのかもしれません。週足のボリンジャーバンドで確認してみますと、現在の日経平均は-2σ(シグマ)を下回り、バンドの幅も拡大しつつある状況ですので、まだ下落トレンド入りの可能性を秘めています(下の図3)。

(図3)日経平均(週足)のボリンジャーバンド(9月18日9:30時点)

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

足元の日柄調整は方向感に欠けるため、非常にもどかしい局面ではありますが、調整の継続が実は下落トレンド入りを回避するポイントになるのかもしれません。