今週の日経平均は軟調な動きが目立っています。8月20日(木)の終値は20,033円で、ほぼこの日の安値圏で終えたほか、節目の2万円水準が見ています。

(図1)直近の日経平均(日足)の動き その1 (8月20日取引終了時点)

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

上の図1は、直近の日経平均の動きと移動平均線(5日線、25日線、75日線)です。7月下旬からの動きを辿ると、75日移動平均線がサポートとして機能していました。先週も75日移動平均線がサポートとなり、25日移動平均線水準を意識する展開となっていましたが、今週に入り、19日(水)の取引でこの75日移動平均線を下抜けてしまいました。また、5日移動平均線が25日移動平均線を下抜ける「デッドクロス」も出現しており、ローソク足と移動平均線の視点で見ると、あまり良い形とは言えません。

もう少し期間を延ばして見ていきます。下の図2は上段が日経平均、下段が東証1部の売買高です。

(図2)直近の日経平均(日足)の動きと東証1部の出来高(8月20日取引終了時点)

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

少し期間を延ばしてみると、日経平均が20,000円~21,000円のレンジが見えてきます。これまでサポートとして機能していた75日移動平均線を下回ったこともあり、次に注目されるのは、日経平均20,000円をサポートとしたこのレンジを維持できるかどうかです。足元は大きく下落しているものの、下段の売買高に目を向けると、節目の20億株をちょっと上回る程度で目立って売買が増えてはいません。そのため、出来高の視点からは、積極的に売られている印象はなく、買いがあまり入らなかったため、ズルズルと売りに押されていると見ることもでき、節目の20,000円水準で買いが入る可能性はありそうです。

とはいえ、別のトレンド指標の視点からは少し注意が必要かもしれません。下の図3は上段がボリンジャーバンド、下段がMACDです。

(図3)日経平均(日足)のボリンジャーバンドとMACD(8月20日取引終了時点)

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

まずは、上段のボリンジャーバンドです。現在の株価は-2σ(シグマ)より下に位置していますが、その直前のバンドの幅がやや縮小していました。こうしたバンドの幅の縮小は「スクイーズ」と呼ばれ、値動きの大きさが小さくなっていることを表します。こうした状況は次の展開に備えて相場がエネルギーを蓄えているとされ、バンドの幅が縮小から拡大するときはその方向へのトレンドが発生しやすいと考えられています。今回のバンドの縮小幅が微妙ではありますが、相場の下落が続くれる可能性が残っています。

次に、下段のMACDを見てみますと、「0円」ラインを下回ってマイナスとなっています。MACDは短期と中期の(平滑)移動平均の差ですから、MACDがマイナスということは、短期線が中期線を下抜けたことを意味します。図1でも5日移動平均線と25日移動平均の「デッドクロス」について触れましたが、同じことがMACDでも確認できるわけです。7月の急落時も同様の場面があり、その後に反発する結果となりました。

基本的にはレンジ相場が維持できれば戻りの流れに乗るスタンスで良いかと思いますが、短期的に大きく下振れてしまうシナリオがあるため、押し目買いを入れるには一呼吸置いてからの方が良いかもしれません。