9月15日
光アクセスネットワーク建設が進行中、セクター全体に強気見通し

BOCIはこのほど、中国国内の光通信関連企業に対する訪問リサーチを実施し、同業界に対する強気見通しを明らかにした。中国の光アクセス・ネットワーク部門は今も開発の初期段階にあり、向こう1年間にわたって投資の拡大が続く見通し。光ファイバーによる家庭向けデータ通信サービスFTTH(ファイバー・トゥ・ザ・ホーム)の開発はブロードバンド・ユーザーの伸びに寄与するだけでなく、ユーザーの差別化という点で柔軟性の向上につながるとみられている。また同時に、PON(受動光ネットワーク:光ファイバー網に分岐装置を挿入して複数の加入者宅に引き込む技術)の導入は、既存のXDSLネットワークに比べた営業経費の軽減につながる見込み。通信キャリア大手の中では、チャイナ・テレコム(00728)が2015年までに光アクセス処理能力をユーザー1億人規模に拡大する計画を進めている。チャイナ・ユニコム(00762)では、すでに新規ブロードバンド・ユーザーの9割超をFTTH顧客が占める。

ブロードバンド光アクセスネットワークの建設は大都市部から農村部へ、都市の規模に応じて5段階に分けて進む見通しで、BOCIは完成までに向こう3年以上を要するとの見方。11-12年が建設投資のピークになるとみている。

一方、光ネットワークの敷設による上場銘柄へのプラス効果について、BOCIはまず、部品製造などのODN(光アクセス網)サブセクターが今年、来年にブームを迎えると予想。個別では中国光繊網絡(03777)や深セン日海通訊技術(002313)に恩恵が及ぶとみている。業界専門家の間では13年までブームが続くとの見通しも示されているという。また、ODAサブセクターが海外向け販売を伸ばしている現状は、中興通訊(00763)など、価格競争力の高いの国内通信設備メーカーにも有利になるとみられている。 通信キャリア3社が今年行う光ファイバーおよびケーブル建設プロジェクトの入札規模は前年比で38%の伸びを示すとみられ、この分野では江蘇通鼎光電(002491)、烽火通信科技(600498)などに恩恵が及ぶ見通し。また、光コンポーネント製造分野では、FTTHの上期の販売急成長がオーネット(00877)、武漢光迅科技(002281)などの追い風となり、足元の受注は好調に推移している。このほか、光アクセル設備サプライヤーにとっては、キャリア3社による今年のFTTH投資が真正面からの追い風。この分野では華為技術、中興通訊、烽火通信科技などが主要サプライヤーとなっている。 一方、光トランスミッション分野では、チャイナ・テレコムが今後2年に年30億元を投資し、チャイナ・ユニコムもバックボーンネットワークへの投資を拡大する見込み。また、既存施設が老朽化しつつあるチャイナ・モバイル(00941)も、モバイル・トランスミッションネットワーク向けの投資を強化する可能性が高く、BOCIはこの分野での同社の投資額が今後2年間、通信キャリア3社の中で最大規模になると予想している。