前週後半からの日経平均ですが、20,500円を中心にもみ合った後、上値を試す展開となり、8月6日(木)の終値は20,664円となりました。この日は20,817円の高値をつける場面があり、7月の高値(20,850円)まで手を伸ばせば届くところまで株価が戻ってきました。

(図1)直近の日経平均(日足)の動き その1 (8月6日取引終了時点)

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

上の図1は、直近の日経平均の動きと移動平均線(5日線、25日線、75日線)です。冒頭でも触れた通り、日経平均のローソク足は20,500円を中心に、7月30日(木)~8月5日(水)にかけて5本連続で陽線が出現しており、「何だかんだで買いが堅調になっている」印象です。

そして6日(木)に一段高しているわけですが、ローソク足が陰線になっています。値固めをして上値を試しているという形自体は悪くはないものの、前回の7月高値や6月高値を超えていくにはまだやや慎重なのかもしれません。

実際に、6月、7月の高値どうしを線で結んでみると、上値抵抗線のような格好となっており、6日(木)のローソク足を押さえているように見えます(下の図2)。

(図2)直近の日経平均(日足)の動き その2 (8月6日取引終了時点)

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

あらためて図2を見てみますと、前回も紹介した通り、「三角保ち合い」を形成してきたことが分かります。そして、6日(木)のローソク足は三角形の頂点に位置しています。ここから想定されるシナリオは、①このまま保ち合いを上抜けて高値をトライしていくシナリオ、②いったん跳ね返されて、期間の長い保ち合い相場が続くシナリオです。

先ほど、6日(木)のローソク足は陰線なのが気になると書きましたが、売買自体は三角保ち合いを形成する過程で多めに推移しており、上値追いに慎重さが見られながらも、決して戻りの勢いは弱くはありません。そのため、保ち合いの上抜けは十分に考えられます。一般的に三角保ち合いは株価の上下の振れが5回以上という条件があるのですが、ギリギリ5回めのタイミングですので、上抜けても発生したトレンドが力強いものにならない可能性があります。

そこで、別のテクニカル指標からも見てみたいと思います。下の図3は今年に入ってからの日経平均のボリンジャーバンドです。

(図3)日経平均(日足)のボリンジャーバンド(8月6日取引終了時点)

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

まずは、バンドの傾きに注目すると、次第に傾きが横ばいになっていることが分かります。続いてバンドの幅に目を向けると、7月の急落から反発して以降、バンドの幅が一定で推移しており、「スクイーズ」と呼ばれるバンドの幅が狭くなって、次のトレンド発生に備える動きを見せていません。ボリンジャーバンドからも市場のエネルギーが溜まっているようには見えないため、高値トライは限定的になると考えるのがメインシナリオと言えそうです。とはいえ、相場自体はあまり弱さを感じさせていないこともあり、堅調ながらも方向性は出にくい「もどかしい」展開が続くのかもしれません。

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