今週の国内株市場は急速に値を戻す展開が目立ち、日経平均は22日(月)~24日(水)の3日間で約700円の上昇を見せました。前回、「三角保ち合い下抜けで下落基調入りか、二番底(ダブルボトム)で反発に向かうのか判断に迷う局面」と書きましたが、反発見通しが勝利した格好です(下の図1)。
(図1)直近の日経平均(日足)の動き (6月25日取引終了時点)
とりわけ、24日(水)の終値は20,868円となり、2000年4月のITバブル時の高値(20,833円)を超えてきました。また、先週まで難しいと思われていた「前月の高値を更新していく上昇リズム」も一気に達成しました。
その一方で、急激な上昇に対する反落の警戒も燻っているように見えます。具体的には翌25日(木)の売買高が少ないことと、ローソク足の並び方が少し「アイランドリバーサル」気味に見えることです。そのため、上値が重たくなった場合には、更新した前月の高値(5月28日の20,655円)水準を挟んだ値固めになるかが目先の想定シナリオとなりそうです。
次に、週足チャートでも確認して見ます。下の図2は週足日経平均チャートにボリンジャーバンド(上段)とRSI(下段)を表示させたものです。
(図2)日経平均(週足)ボリンジャーバンドとRSI
まず、上段のボリンジャーバンドを見てみますと、日経平均は+2σ(シグマ)と+1σの間を往復しながら推移しています。これは「バンドウォーク」と呼ばれ、上下のバンドの向きが揃った状態で、±2σ~±1σの範囲内で推移している状態のことを指し、強いトレンド発生中であることを意味しています。ですので、ボリンジャーバンドでは中長期的な上昇トレンドは継続と見ることができます。ただし、下段のRSIに視点を移すと、トレンド転換シナリオも浮上してきます。日経平均が高値を更新する一方で、RSIは上値を切り下げている「逆行現象」になっています。
(図3)日経平均(日足)の「扇形(ファン)トレンド」
とはいえ、逆行現象はトレンド転換のタイミングまで予想するのが難しいですから、ひとまずは上昇トレンド継続と見て良いかと思います。そのため、トレンド転換の判断は上の図3のように、先週下抜けしてしまった「ファン(扇型)トレンド」の下限を再び下抜けした時が目安となりそうです。
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