6月入りとなった今週の国内株市場ですが、日経平均は1日(月)に12連騰を達成後、上昇一服となっています。
(図1)直近の日経平均(日足)の動き (6月4日取引終了時点)
上の図1で足元の動きを確認してみますと、12連騰後は5日移動平均線を挟んだもみ合いが続いています。また、連騰の終盤は結果的に前日比で上昇しながらも高値を更新できておらず、勢いが弱まっている印象です。とはいっても、連騰後の値動きはほぼ横ばいとなっており、これまで急ピッチな上昇だったことや、週末には米雇用統計の発表が控えていることもあってか、「ひとまず様子見」なのかもしれません。4日(木)の終値は20,488円で、節目の20,500円台を下回ってしまいましたが、ITバブル時の高値(2000年4月12日の20,833円)はまだ射程圏内と言えます。
また、「扇形(ファン)トレンド」でも、前回紹介しましたライン②とライン③の範囲内での推移が続いています(下の図2)。
(図2)日経平均(日足)の「扇形(ファン)トレンド」
今後も、このライン②とライン③の範囲内での推移が想定されるわけですが、ライン②の上限に向かっていくのか、それともライン③の方向へ下値をつけに行くのか気になるところです。そこで別のテクニカル指標であるRSIでも確認してみます。以前も紹介しましたが、RSIとはRelative Strength Indexの略です。日本語では「相対力指数」と呼ばれていますが、相対力という言葉を耳にして、イメージが湧く方は少ないと思います。株価は日々上げ下げを繰り返していますが、上昇した日の上げ幅は全体の値動きの何%を表したものがRSIになります。ちなみに、マーケットスピードの基本設定は14日間です。一般的に、RSIの数値が80%以上が「買われ過ぎ」、20%以下が「売られ過ぎ」という見方をします。
(図3)日経平均(日足)とRSI
6月4日の取引終了時点でのRSIは89.83%ですので、先ほどの見方に照らすと買われ過ぎとなります。過去に遡っても、80%超えの水準で上値が重たくなったり、80%を目安に調整を迎えた場面が見られます。足元も80%を超えたあたりから、上値が重たくなっています。
また、株価が微妙に上値を切り下げる一方で、RSIは上値を切り上げているように見えます。いわゆる「逆行現象」ですが、このパターンはトレンドフォロー型の逆行現象ですので、上値が切り下がる傾向が続く可能性があります。そのため、図2でも触れた「ライン②とライン③の範囲内が想定シナリオ」に変化はなさそうですが、調整の足音にも耳を澄ます必要がありそうです。
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