今週の国内株市場も上昇基調が続き、日経平均は5月28日(木)の終値で10連騰となりました。

(図1)直近の日経平均(日足)の動き (5月28日取引終了時点)

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

上の図1で足元の動きを確認してみますと、今週に入って節目の20,500円を連日でトライし、28日の終値ベースで上回った格好です。連騰前(5月14日)の終値が19,570円でしたので、一気に1,000円近く上昇してきたわけですが、連騰中のローソク足の形を見てみますと、ローソク足の実体が短かったり、ヒゲが長いものも多く、やや迷いも垣間見えます。

高値への警戒感も表れているとも考えられますが、チャートの表示期間を少し延ばしてみますと、下の図2にある通り、今年に入ってからの各上昇局面において、あまり強いとは言えない線が多く現れていることが分かります。また、ITバブル時の高値(2000年4月12日の20,833円)という目先の目標も射程圏内に入っており、何だかんだで上昇基調が続く可能性があります。

(図2)日経平均(日足)の推移

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

また、日経平均の動きを75日移動平均線との乖離で確認してみます(下の図3)。28日の取引終了時の乖離率は約106.34%となっています。過去に遡ると、乖離率が108%を超えたところで直近の高値をつけており、このパターンに従えば、28日時点の75日移動平均線が19,325円ですので、20,871円が108%乖離になります。ちょうどITバブル時の高値(20,833円)に近い水準でもあり、このタイミングでひとまず天井をつけることも想定されます。

(図3)日経平均(日足)と移動平均乖離率(75日)の推移

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

最後に、日経平均の動きを「ファン(扇形)トレンド」でも確認してみます。ファントレンドについては以前のレポートでも紹介しましたが、今週は②のラインに沿って推移してきました。そのため、②と③のラインの範囲内での推移というシナリオは崩れておらず、目先の天井を打った際の想定レンジとして意識されそうです。

(図4)日経平均(日足)の「ファントレンド」

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)