渤海湾油田の原油流出事故、国家海洋局が「蓬莱19-3」の全面生産停止を指示

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00883 中国海洋石油(シーエヌオーオーシー)  15.44 HKD
(09/05現在)
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中国海洋石油と米石油大手コノコ・フィリップスが共同開発する渤海湾「蓬莱19-3」油田で6月に発生した原油流失事故をめぐり、国家海洋局(SOA)は「蓬莱19-3」での水注入、掘削、原油・ガス生産を全面停止するよう指示した。同局は当初、コノコ・フィリップス・チャイナ(COPC)に対し、8月末までに原油流出源を完全に遮断し、潜在的な流出リスクを排除するよう求めていたが、同局によればCOPCはこれに対応することができず、調査過程でプラットホームCにおける小規模な流出が確認されたという。こうした中、国家海洋局は懲罰的な意味から、今回新たに「蓬莱19-3」全体における水注入、掘削、生産を停止することを命じた。また、COPCに対し、引き続き原油流出リスクを防ぐために有効な手段を講じるとともに、流出油を回収するよう指示。「蓬莱19-3」全体の開発計画を見直し、関連当局の認可を受けることを作業再開の前提条件とする方針を明らかにした。

BOCIは国家海洋局の裁定が予想以上に厳しい内容になったと指摘している。プラットホームBおよびCの生産は7月13日から停止されているが、停止前の中国海洋石油の日産量は2万2000バレル(権益持ち分換算)。その後、「蓬莱19-3」全体が生産停止の対象となり、中国海洋石油はさらに正味日産4万バレル相当を失ったことになる。BOCIはもともと、プラットホームBおよびCの生産が6月から8月まで3カ月間にわたって止まるとみていたが、実際には停止時期が7月にずれ込み、さらに「蓬莱19-3」全体について生産停止処分が適用された。BOCIは停止期間が9月から11月まで、さらに3カ月間にわたって続くとの想定に基づき、中国海洋石油の2011年通期の予想生産量を正味470万バレルの幅で下方修正した。これは通期の原油・ガス総生産量、原油総生産量予想値のそれぞれ1.4%、1.8%に相当する。BOCIはこれに伴い、11年の生産量の伸びが前年比1.7%にとどまる見通しを明らかにしている。

また、原油生産量が当初予想より落ち込む見通しを受け、中国海洋石油の11年通期の利益見通しを2%下方修正し、11年の予想NAV(1株当たり純資産価値)を13.29HKドルから13.25HKドルに修正。目標株価をやや引き下げ、同社株価の先行きに対する従来の強気見通しを中立的に変更した。また、BOCIは中国最大のオフショア油田「蓬莱19-3」の生産活動を取り巻く大きなリスクを指摘。予想以上に生産停止期間が長引く可能性に言及している。仮に、国家海洋局だけでなく、その他省庁が同油田開発計画の見直し後の認可に絡んだ場合、認可取得までに長期を要する可能性があると指摘している。