11年6月中間期に28%増益、販売好調とコスト軽減で利益成長持続を予想

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
02319 中国蒙牛乳業(チャイナ・モンニュウ・デイリー)  26.60 HKD
(08/31現在)
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中国蒙牛乳業の2011年6月中間期の純利益は前年同期比28%増の7億9000万元と、ほぼ市場コンセンサス予想を達成する一方、BOCIの予想を小幅に下回った。実効税率が15%に達し、前年同期を5ポイント上回ったことが理由。売上高は同期に29%の伸びを示した。また、粗利益率(26.0%)は0.2ポイント低下したが、コスト管理が奏功し、販売管理費の対売り上げ比率(21.1%)が0.4ポイント改善した。同社の増収率は加速傾向を示しており、原材料コストの安定化やスケールメリットの拡大に伴う営業経費の軽減も追い風。BOCIは他の大型消費銘柄に比べた同社の好決算を前向きに評価している。

中間期には主に自律成長、平均販売価格の上昇、買収効果を背景に、前年同期比29%の増収を確保した。販売量は19-20%増加し、平均販売価格は9%上昇した。品目別では液体乳製品部門(牛乳、乳飲料、ヨーグルト)、その他乳製品部門の売上高がそれぞれ31%、33%増。液体乳部門では新製品「君楽宝」などの貢献で、特にヨーグルトが74%の売り上げ増を記録した。また、UHT牛乳(超高温殺菌牛乳)、乳飲料の売上高は29%増、19%増。BOCIは上期の販売好調を受け、11年通期の予想増収率を前年比20%から26%に上方修正。前年同期実績の高さから増収率の減速を見込みながらも、下期に前年同期比23%の伸びを確保するとみている。

同社の原料乳調達コストは昨年の1キログラム当たり3.55元から今年1-2月には同3.77元に高騰したが、その後3月から下向きに転じ、7月には3.4-3.6元に低下した。国内全体の原料乳価格は3月初めの3.21元をピークに下向き、現在では3.18元。同社経営陣は10年に15-20%高騰した原料乳調達価格が、11年には3-5%の上昇率にとどまるとみている。また、BOCIは需要ピーク期を迎える10-12月期に原料乳価格が上向くと予測しながらも、短期的には現行水準で横ばい推移する見通しを示した。なお、同社は売り上げ全体に占める高利幅製品(粗利益率28%以上)の比率を引き上げる方針。10年に20%だった同比率は11年上期に22-24%に上昇したが、向こう2年以内に26-28%の達成を目指す。BOCIは11年通期の粗利益率想定値を26.3%から26.2%へやや下方修正したが、修正後予想値も10年実績の25.7%を上回る水準にある。

BOCIは優遇税制の満了に伴う実効税率の上昇を、同期決算の唯一の失望要因として指摘。11年通期の予想売上高を上方修正する一方、実効税率想定値を15%に引き上げ(経営陣の予想値は12-15%)、2011-13年の予想純利益をそれぞれ3.5%、1.6%、2.6%下方修正した。11年に36%の増益を達成し(予想コア利益伸び率は22%)、11-13年に年率25.1%の利益成長を確保すると予想。目標株価をやや引き下げながらも、同社株価の先行きに強気見通しを継続している。